さやを撫で やさいを茹でる やさしさや
恋したひとと電話をしたことがない
わたしの電話線は赤い
夢で死んだわたしはいまなぜ泣いている
朝ごはんのパンを焦がす
あの喫茶店を営む夫婦は素敵
ふたり あんバターのように
言葉で泣いて言葉で笑う ぼくら
言葉を紡ぐ みんな神様
西陽が照らす君の赤ランドセル
さらに光るは君のただいま
水中で踊るわたしも 水中で 笑う光も掴めない ゆめ
避暑地の今日の気温は36度
夕六時には忘る人肌
さやを撫で やさいを茹でる やさしさや
湯気の向こうの母の匂い
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