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湊かなえさんにお花を戴いたお返しに落款を作ったら

ちゃんと使ってくださっていたんです…。
落款を渡したのは5年前に湊さんのサイン会で。
落款を渡した後、
「あ~、あんな重い物…しかも、綺麗に印影出すのにコツがいるようなもの、渡して良かったのかな…、なんか恥ずかしいな…」と、
フとした拍子に思い出しては記憶の彼方に追いやって、でもまあ、どうでもいいかな…と思えてきて忘れかかっていたんです。

使ってくださっていると分かったのは、ほんの一つき前のこと。
新潮社の編集者様からメールがありました。
趣旨は
”ジャカルタで行われる国際ブックフェアに、湊かなえさんが招待され、イベントで湊さんのサイン会も予定されており、その際、私(おかドド )が贈った落款に「ローマ字で湊さん手描きの名前を入れたもの」をゴム印にして使うと、現地のファンも喜んでいただけるのではないか、と思うがヨロシイか”
というものでした。
私はもう、2つ返事で「ハイハイ」とOKしましたよ(笑)。

サイン&落款入り『豆の上で眠る』(文庫版)とジャカルタのコーヒー&編集者様のメッセージ

そして今日、無事終えた報告だけでなく、こんな嬉しいお土産が届きました。
落款入りの、週刊新潮で連載当時挿絵を担当した『豆の上で眠る』のサイン本に現地のコーヒーを添えて送ってきてくださいました。
私は、珈琲党~嬉しーい!

なんと現地では『イヤミス』の意味が問題無く通じるんですってョ!

作った当時のラフなど(息子が使わなくなった漢字ノートに貼ってます…笑)

そもそも、この落款を作ったのは、私が東京で展示をしている際、湊さんが取材やテレビのお仕事で上京した忙しい合間に、ギャラリーにわざわざ訪ねてきた下さったにもかかわらず私は体調不良で不在で、しかもお花までいただいて、本当にこの埋め合わせをいつかしなければ!!と思っていた数年後、今から5年前、湊さんが『ブロードキャスト』を出版され全国サインツアーで水戸市へやってくるということを知り、おしかけようと思ったのがきっかけでした。

それで、湊さんに、何か贈りたい。
きっとプレゼントまみれで大変なことになっているだろうけれども、でも何か贈りたい。
ちょうどその少し前の冬に、息子が中学最後の美術の授業で、篆刻を使った落款を作っており、それがなかなか良かったのと、湊さんがサインとともに落款を使っているようだったので、絵柄がある落款もたまにはいいだろう、ということで作ることにしたのです。

当時、今回の『横顔』モチーフの落款以外にもう一つ、『3つの顔』バージョンも必死に作っていたのです。
湊さんは、”イヤミス”という言葉を根付かせた方でもありますが、執筆では「ダーク」なミステリも「明るい」謎解きやエッセーもあり、そして「素」の湊さんもあるわけで、そういうところを伝えたい!と、私なりに思った
のです。

押しては彫り押しては彫り…なかなか難しかった(泣)

が、私の技術が追いつかずどうにも怖い顔にしかなりませんでした。

↑の写真の一番右下角、鉛筆の下描きが目指すもの。
押しては余分を彫り、目指す表情に余分なところを彫り、を繰り返しても、なかなか思うようにならず、「いっそ、印鑑職人に頼んだ方がいいだろう」とさえ思いながらもギリギリまで頑張り、しかしギブアップ。
ただ、『3つの顔』バージョンは、渡したのか渡さなかったのか記憶に無いんです…((^▽^;)ヤバーイ!)

湊さんのサインも柔らかな雰囲気でとても好き


ゴム印に生まれ変わって、軽く使いやすくなったことでしょう。

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