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感慨深い「trash」の再販

皆様ご機嫌いかがでしょうか。底辺アラフィフのオカダです。一人勝手に毎日投稿を心に誓いながら、わずか2日で挫折してしまいました。生きててすいません。

一人飲みしてたら気持ちよくなって寝落ちしただけなんですけど........3日連続.....

閑話休題

一昨日ひょんなことからTHE STALINの1stアルバム「trash」が再販されたことを知りました。インディーズでリリースされてから、実に39年ぶりの再リリースです。

ほぼ自主製作盤としてのリリースであったため、当初は1,000枚のみのプレスでしたが、あっという間に完売したため追加で2,000枚プレスされたアルバムです。もちろんそれも完売し、それ以後プレスされることがなかったため幻のアルバムとされていました。バブル絶頂期だったこともあり、私が高校生だった80年代後半すでに10万円というプレミア価格が付いていたこともあります。

そのため雑に盤起こしされた粗悪な海賊盤が横行していましたが、それすら九州の西の果てに住む田舎の少年が入手することは困難で、当時THE STALINのアルバム「STOP JAP+GO GO STALIN」に衝撃を受け、どハマりした16歳にとってアルバム「trash」はもはや都市伝説のような存在でした。

月日は流れ、50代が目前に迫ったちんちくりんのおっさんがスマホをごにょごにょ弄っていると、唐突に「trash」が再販されたという記事が目に飛び込んできました。脳裏に蘇る10代の記憶......

その瞬間通常の7倍の速さでAmazonを開き、「trash」を見つけるや否や電光石火のポチッとな(←ふ、古い、古すぎる......)



ええ、買っちゃいましたよ「trash」。


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もう完全に衝動買いですよ。私実は大学受験に失敗して1年浪人生活を送ったのですが、予備校の昼休みに飯食いに出かけ、戻る道すがら中古レコード店にフラッと立ち寄ったのですが、そこに当時ひっそりと再販されていたthe stalinの2ndアルバム「stalinism」(正確にいうとオリジナルを復刻したのではなく、曲目を少し入れ替えたベストアルバム的なものですが)が置いてあったんですよ。考える間もなくCDを掴んでレジへ走っていきましたが、今回はその時と全く同じ心境でしたね。まるで進歩がない......(by「諦めたら、そこで試合終了ですよ」の安西先生)

ということで、一生聴くことは叶わないだろうと思われた「trash」をめでたくお買い上げできたわけですが、CDが届いた直後、私は舞い上がりすぎたあまり重大なことを失念していたことに気付いたのです。


俺、CDプレーヤー持ってねーじゃん......


サブスクリプション全盛の今、ご多分にもれず私も聞きたい曲やアルバムは全てAppleMusicやYouTubeMusicからダウンロードして、iphoneやipadで聞くということが日常化しており、CDを買うという行為自体が古い慣習として失われていたのです。

もうCDに価値はないんか もはやバンドはTシャツ屋さん

一応ブルーレイプレーヤーでは再生できるのですが、接続しているテレビがmaxzenという坊さんの最高位みたいな聞いたことないメーカーので、スピーカーが貧弱すぎて聞けたもんじゃない。それより私はこのCDをiphoneやipadで聴きたいんだ!

しばし熟考した後、その足で私はビックカメラへ走りました。DVDドライブを買うために。そう、CDをPCに取り込み、それをitunesへ転送したんです。これで気兼ねなくiphone、ipadで「trash」を聴けるようになりました。途中私のミスでipadのOSがipad OSからiOSへ勝手にアップデートされそうになり、焦りに焦るという一幕もありましたがwww

さあ、後は轟音を響かせるだけです。が、私が住んでいる超高級マンションはヒジョ〜に壁が薄く、そんなところで爆音を轟かせるとご近所様迷惑になりますので(悲しい現実)、イヤホンを着けます。


懐かしいなあ......「解剖室」、「バキューム」、後のメジャーアルバムでは「ロマンチスト」とタイトルが変更された「主義者(イスト)」、「メシ喰わせろ」、「猟奇ハンター」、「電動コ○シ(BAN回避のため伏せ字wwwちなこれが1stシングルwww頭おかしいwww)」、「ブタに真珠」、「サル(あまりにイカれてるため歌詞が歌詞カードに絶対載らない名(迷!?)曲)」、そして初めて聴けた「天上ぺ○ス(また伏せ字www)、「インテリゲンチャー」、「撲殺」など正気の沙汰とは思えない曲のレパートリー。

特筆すべきが、前半10曲がスタジオ録音、後半10曲が法政大学と京都燦燦でのライブ収録と20もの数の曲が入っているにもかかわらず、総収録時間が44分と驚異的に短いこと。1曲あたりの時間が平均で2分強となりますね。キャプテン・オブ・ザ・シップを4回連続流した方が長いです。

初めてこのアルバムを聴いた方は例外なく驚愕するでしょう。おそらくほとんどの方が5分と聴いていられないはずです。醜悪な音楽、最低な歌詞、今の音楽に慣れ親しんだ方には到底受け入れがたいでしょう。意識高い系の方ならなおさらそうかもしれません。

しかし、その騒音(ノイズ)の中には確実に人の心を揺さぶる炎が燃え盛っています。そこにはただただアナーキズムで暴力的な世界が広がるのみです。この社会の闇を具現化したものと言えるのかもしれません。

バンド名や曲のタイトルからとかく政治的なイメージを持たれるバンドではありますが(特にリーダーの遠藤ミチロウは晩年反原発活動に勤しんだこともその一因かもしれません)、私は権力・権威、既得権益に対して抵抗するということを表現する手段として、コミュニズムを用いたのではないかと思っています。社会主義・共産主義を崇拝するどころか、嘲っているように感じる曲もありますし。ポピュリズムというより、社会の強大な力に対するアンチテーゼとしての存在がTHE STALINであり、このアルバム「trash」からはそれに対する爆発せんばかりの怒りが放出されているように思えてならないのです。

今の時代にこのアルバムはそぐわないかもしれません。だからこそ今、特に若い方にぜひ聴いていただきたいと思います。傾倒するも良し、バカにするも良し、とにかく一度この音に触れていただきたい。そしてその音に内包される“力“を感じていただきたいと私は思うのです。


最後に


テンション上がってしまい、勢い余ってTHE STALIN Tシャツまで買ってしまったことは反省いたします。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。




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