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坂戸日記 2023.12.09

2023年12月9日、晴。

前日の金曜日からドロシーと「週末は天気が良さそうだし、暖かいそうだからどこかへ行こうか」という話をした。

今年の「やりたいこと100」には、昨年達成できなかった「八高線に乗る」という項目があったが、それは先日達成することができた。八高線に乗ることがなぜ目標なのかと思う人も多いだろうが、東京の郊外に住んでいると、線路はみかけるけれど電車をみかけることがない不思議な路線なのだ。もちろん、実際にはそんなことはないが、子どもの頃からずっと思っていたのだ。きっとこれは幽霊電車みたいな電車なんだと。

実際に乗ってみると案外と通学に使っている人もいたりして、ちょっとがっかりするぐらい普通だった。

そんなわけで「八高線に乗る」は達成されてみたので、今年の目標には書かなかったが「ぶらり沿線の旅」に目標を定め、東武東上線沿線に住んでいるので、東上線一本で行ける寄居に行くことにした。

寄居は案外と遠かった。実際には、森林公園駅で20分、小川町駅で10分程度の待ち時間で乗り継ぎをしたので時間がかかっただけなのだけど。

知らない街を歩くのは案外に難しい。個人的には徘徊を趣味にしているので街をうろつくことに問題はないのだけれど、ドロシーもいるし、むやみに歩き回るわけにも行かず、基本的には寄居町が用意しているハイキングコース「玉淀コース」を歩いた。

https://www.town.yorii.saitama.jp/uploaded/attachment/16336.pdf

本来の玉淀コースは、寄居から一駅秩父線に乗った波久礼駅からスタートして荒川の流れに沿っ て歩くコースなのだけれど、寄居に着いたのが昼過ぎだったので、スーパーでお昼を買い、河原近くの雀宮公園の紅葉が綺麗だったのでそこのベンチで食べた。

その後、一旦、荒川沿いに玉淀河原まで歩いたのだけれど、そこで、手前の橋を渡らないと鉢形城跡に行けないことに気づいて、戻って橋を渡った。

鉢形城跡は、荒川が削った断崖ともいってもよい場所にあり、説明書きによれば、関東管領山内上杉の家臣、長尾景春が築城し、北条氏邦が整備拡張したという。重要な拠点であり天然の要塞でもあったようで、城の最後は小田原征伐で3万を越える兵に包囲され、1ヶ月籠城した後に開城したという。

私もドロシーも城跡にはほとんど興味がないし、お城もないのに何を見るのだろうという程度の人間なのだけれど、断崖の上の城跡から、大きな谷間の街ともいえる寄居の見下ろすと、ほんの少しだけ感慨を感じる。ほんの30分ほど前まで北条氏邦の名前も、戦国時代の終わりに、この寄居でそんな戦があったことも知らなかったのに。

結局、お昼を食べたり、城跡まで行きつ戻りつしたので、「玉淀コース」を歩ききることはできず、鉢形城を攻めた前田利家・上杉景勝らの北国軍との開城合意が行われた正龍寺、本堂の格子天井に百人一首が描かれている善導寺までで寄居に戻ることにした。


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