いい導入事例をつくるためのチェックリスト
こんにちは。グロースハックラボの岡部です。
弊社は導入事例の制作をしており、制作時に利用するチェックリストを作成しています。
もしかしたら参考にしていただける部分もあるかと思ったので、公開することにしました。
社内で事例制作をされている方はぜひご活用ください。
また内容は常にブラッシュアップされていくべきだと思っていますので、随時更新しています。
※2024/04/11更新
前提
いい導入事例の定義は「読んだあとCTAにつながるもの」とする。
一般的にはウェブサイトや資料として読んでいただいたあとに、お問い合わせにつながることを想定。
そのためには「共感を得る」コンテンツになっていないといけない。
共感を得るためには、まず自分にも関係のある事例だと思ってもらい、そのあとに商品やサービスを利用することで課題が解決できるイメージを持ってもらう。
また事例取材を受けていただけることはありがたいことである。
取材先には最大限のリスペクトを表し、敬意を持って取材にあたること。
導入事例の主役は取材先であり、取材元ではない。
取材先が商品やサービスを利用して、いかに課題を解決し、変化があったかを伝えることが重要だと考える。
読者はビジネスとしてコンテンツを読むため、想いやクリエイティブよりも可読性を優先する。
上記を満たすために、以下のチェックリストを確認した上でコンテンツを制作する。
事例への取材依頼
取材先の負担を減らすために、取材依頼書を利用すること。
そのまま上申できるテンプレートを用意しているので、取材先と日時だけ編集して提出する。
事例の設計
企業ヒアリング
はじめての制作する事例の場合、取材元から商品・サービスの説明をしてもらう。
商品名、製品名
既存顧客数
価格
利用者と決裁方法
スイッチングコスト
コンテンツの利用手段
競合情報
上記を元に、取材テンプレートを作成する。
取材先ヒアリング
各事例の取材2営業日前までに、必ず当日の取材出席者の役割と名前、企業情報をいただくこと。
営業メモが残っていればそのまま共有いただく。もしなければ30分ほどの前打ち合わせを行う。
取材先ヒアリングを元に、テンプレートを修正した質問事項を準備しておく。
冒頭には用途の説明、事前チェック可能の通知、写真に関することを記載すること。
インタビュー
インタビュアーは普段聞けない質問ができる権力を持っていることを自覚し、取材先へのリスペクトを忘れないこと。
チェックリスト
必ず用意した質問事項の順番で進める
テンパらずに用意した質問をすべて行うため
時系列で質問することで、取材先の記憶が鮮明になりやすい
課題を伺う時は、感じ始めた時期まで遡ること
もし質問と回答が噛み合わない場合は、質問の仕方が悪いと考える
「質問の仕方が悪く失礼しました」と付け加え、別の言い回しで再度質問する
聞き方がむずかしい場合、「読者のために伺いたいのですが」と付け加える
「なぜ?」「具体的には?」はそのまま使わず、一言付け加えて使用する
専門用語や略語が分からない、もしくは不安な場合、必ずその場で確認する
写真撮影
主役である取材先をなるべくキレイに見せるため、写真にはこだわる。
撮影は必ず取材元と同席の上行うこと。
機材
できる限りASP-C、フルサイズどちらかの一眼レフを使用。
レンズは換算50mmを基本とする。予算が許せば換算25mm程度の広角レンズかズームレンズを利用。(狭い場所の可能性を考える)
設定
撮影はAモード、連写にしておく。
被写体が単体の場合はF値は2.8以下、複数の場合は5.6。
ホワイトバランス、フォーカスはオート。ISOもオートで最小値100、最大値は1600か3200。
チェックリスト
なるべく気取らず自然に撮影
撮影は担当者に依頼し、ユーザー撮影の声掛けまでお願いする
構図に沿って被写体を撮影
三分割構図、日の丸構図で撮ればだいたいOK
目線の先に空白ができるように
悩んだ場合は引きで撮ってあとからトリミングする
被写体の目線の高さに合わせて撮影する
特に上から見下ろすアングルになりがちなので注意する
アイキャッチは正面から、それ以外は少し目線をズラす
一人で撮影する場合は三脚を持参し、タイマーを使う
連写でとにかく数を撮りまくる
同じシーンでも3つのアングルで撮影する
編集
Luminar neoで編集する。
16:9でトリミングし、水平調整と構図を調整
AI補正でほどよい度合いに調整
ノイズ除去は提案どおりに実行
それでも白飛び、黒つぶれがある場合はハイライトとシャドウを調整
フェイス補正で肌やライティングを調整
赤や反射の水色など目立ちすぎる色がある場合は彩度を落とす
不要なものがあれば除去する
スマホで撮影した場合、ボケ感を付け足す
ライティング
可読性を優先しつつ、情報量を減らしすぎないことが重要。
主観や感想はなるべく排除し、客観的な根拠に基づいた事実を積み重ねていく。
コミュニケーションコストを削減して保守性を向上させるため、原稿はGoogleドキュメントを利用する。
チェックリスト
「引っかかり」のある文章になっているか?謎解きのように読み進めたくなる構成になっているか?
課題と効果はしっかりと分けて、論理が行ったり来たりしなくていいようにする
取材先のイメージを損なう表現は排除する
話し言葉は書き言葉に置き換える
意味が同じなら一文字でも短くする
インタビュアーは黒子に徹しているか
なるべく改行する。段落を利用した改行と使い分ける
できる限り漢字はひらく
副詞、接続詞、形容名詞、補助動詞、連体詞、副助詞はひらく
常用漢字でないものも基本的にひらく
敬語表現に注意。尊敬語と謙譲語の使い分けに誤りがないか?二重敬語はないか?
表記揺れを排除する。その際必ず置き換え機能を使うこと
取材元の指定する表記に従っているか確認する
タイトルが独自性のあるものなっているか?競合でも同じことが言えるなら独自性がない
タイトルは32文字以内、見出しは20文字以内
見出しやタイトルの文末に句読点は付けない
レビュー
ライターが作成した原稿にインタビュアーがレビューを行う。
ライティングチェックリストを元に、対応できていない部分があればコメントする。
いい導入事例を作成するために、レビュアーは遠慮しない。正解がないものに関しては理由を付けたうえで提案をする。
レビュアーは個人攻撃をしている訳ではないので、レビュイーも口調や内容を気にしない。
参考資料
こちらのチェックリストを制作するにあたり、以下の書籍を参考にさせてもらいました。
筆者のみなさま、とても素晴らしい書籍を執筆いただきありがとうございます!
記事を良いと思っていただきありがとうございます。 サポートは不要ですので、その分ご寄付いただけると幸いです。 特に子どもへの支援をされているNPOなどは個人的にも応援しています。