産業医についての勉強

産業医について昨年から労働安全衛生規則改正が改正されました。

ポイントとしては
(1) 健康診断の結果に基づく医師等からの意見聴取に必要となる情報の医師等への提供
事業者は、各種健康診断の有所見者について医師等が就業上の措置等に関する意見具申を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を当該医師等から求められたときは、これを提供しなければならないこととする。

(2) 長時間労働者に関する情報の産業医への提供
事業者は、毎月1回以上、一定の期日を定めて、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、その超えた時間が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならないものとする。

(3) 産業医の定期巡視の頻度の見直し
少なくとも毎月1回行うこととされている産業医による作業場等の巡視について、事業者から毎月1回以上産業医に所定の情報が提供されている場合であって、事業者の同意がある場合には、産業医による作業場等の巡視の頻度を、少なくとも2月に1回とすることを可能とする。

2)の長時間労働者に関する情報の産業医への提供、というのはとても重要です。

週に40時間を超えた労働時間(時間外労働)が、月に100時間を超えた場合に、労働者の氏名、及び超えた時間に関する情報を産業医に提供することが事業者には義務付けられています。
産業医としては一般的に時間外労働が100時間を超える労働時間は健康障害のリスクが高く、非常に危険な状態であると判断します。また、法律上は、時間外労働が100時間を超える場合は、本人の申し出があれば産業医等医師の面談が必要となっています。

最近では医師自体の過重労働が問題になっています。総合病院等では医師は当直、待機業務などをしている事が多く、月曜日~金曜日が8時間労働で、平日に17時から9時までの当直を一回、休日に24時間当直を二週間に一回やると時間外労働は月に100時間をこえます。
当直は労働時間外に含まないと考える場合もあるようですが、病院内での責任者としての対応、救急患者等の診察は、常識的に考えて労働時間です。医師も自分の健康、労働時間を考える時代になってきているのだと考えます。
岡部医院院長 岡部誠之介
(日本医師会認定産業医)

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