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読み応えのある本

 読み応えというのは、噛み応えの親戚というか、読むのに
骨が折れる(骨折ではない)という意味合い。
 ようやく『進化の意外な順序』(アントニオ・ダマシオ)
を通しで1回読み終えた。なかなかスラスラとは読めなかった。
視力が衰えているのか(老眼)、そもそも集中力が低下して
いるのか(加齢)、仕事でお山の大将ごっこに巻き込まれて
いた内に頭がおバカになってしまったのか。(本当はもともと
おバカだったのだ。)
 読んでいる途中で眠たくなったら、眠気覚ましに『百田尚樹
の新・相対性理論』とか、『医者にがんと言われたら最初に
読む本』などを読んでいた。百田尚樹は、さすがに放送作家で
あるだけあって、読者を眠たくさせないテクニックがある。
 なぜ、アントニオ・ダマシオなんて読みだしたのかというと、
松田雄馬の『人工知能はなぜ椅子に座れないのか』に参考文献
として名前が挙がっていたからである。挙がっていたのは、
『デカルトの誤り』と『意識と自己』だが、出版年の新しい物
から読んでみようと思ったからだ。最新バージョンの方が内容
的に完成度が高いんじゃない、という趣旨だ。しかし、この
『進化の意外な順序』は、著者の専門分野である神経科学を
大きく超えて、細胞生物学、文化、社会にまで話が広がって
いる。結果的にいきなり難物に当たってしまったようだ。
 次は『自己が心にやってくる』の順番だ。『生存する脳』
や『無意識の脳 自己意識の脳』を読むのはいつになるのだろ
う。一度に欲張って全部借りなくてもよいのに。いや、緊急
事態宣言の影響で、図書館がいきなり閉鎖になる可能性もある
から、貸借期間が延長になるかもしれない。
 
 そもそも『人工知能はなぜ椅子に座れないのか』を読んだの
かというと、かの老人の病院通いの合間にA図書館の分室(コ
ミュニティセンター内にある)の本棚をぶらぶらと何気なく
眺めていたら、目に留まったから。
「そういえばこの本、ずっと前にC図書館の新着コーナーに置
 いてあって、ざっと読んだことがあるなあ。」
と記憶が蘇った。ゴンドラ猫の図とか、馬の写真に見覚えが
あった。
 参考文献にはアントニオ・ダマシオの他、『IT全史』(中野
明)、『近代中国史』(岡本隆司)があった。
岡本隆司もまた、出版年が新しい『教養としての「中国史」の
読み方』も借り、松田雄馬も『人工知能に未来を託せますか?』
を借りてしまった。一遍に全部借りても読み切れないじゃない
かという感じだ。『IT全史』以外は皆、新品同様だ。
『進化の意外な順序』が難攻不落そうだったので、これらの本
を先に読みだした。それからアントニオ・ダマシオさんの番だ。
 などと言っているうちに、『人工知能に未来を託せますか?』
に参考文献として載っていた、『脳と機械をつないでみたら』
とか、『情動の進化』まで借りてしまって、いったいどうする
つもりなのだろうか。貸出期限が来るぞ。いや、緊急事態宣言           の影響で図書館が閉鎖になって・・・・・。
 前回の失業期間と違って、株はやらないし、ゲームはしないし、
酒も飲まなくなった。時々かの老人の用事は発生するが、時間は
かなりあるかな。お山の大将ごっこに巻き込まれていた頭のリハ
ビリだ。

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