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誰もいない楽園《読書一服》

苦しみが一切ない世界。
苦しみが一切ない世界。
頭の片隅に引っかかっていた。
あっ、天国のことか。
自然科学絶対の社会で過ごしているうちに
忘れ去っていた。
非科学的幻想、もの笑いの種。
はるか忘却の彼方へ押しやられていた。

でも、天国というと神や天使などがいて、
宗教色が強い。
楽園の方が良いか。

昔、北朝鮮は「地上の楽園」と言われた
ことがあったらしい。
当時それは冗談ではなかった。

反出生主義は楽園を作ろうとしているのか。
あの世ではなくこの世に。
未来のこの世界。
あるかどうかわからないところにではなく、
いま自分が生きている世界の延長上に。

イスラム教では天国が既に用意されている。
個人がそこへ行く形だ。
あとは個人の信仰の度合いによる。

反出生主義は、自分だけでは完結できず、
他人に対して働きかける。
そうして未来の楽園作りに自ら参加する。
あるいは箱庭と言った方がピッタリか。

かつての共産主義と同じように、表向きの
動機の他に、隠れた動機が。

他者をコントロールしたいという欲望。
世界が自分が把握できる(単純な)もので
あってほしいという希望。

科学技術が発達し、AIに仕事を奪われると
脅される。不安定な雇用。地球温暖化。
様々な問題があって、複雑怪奇な世の中。
理解不能。どこから手をつければよいのか。


※書いているうちにゴダイゴのガンダーラ
 という曲を思い出した。
(ドラマ西遊記のエンディングテーマ)
50代のオジサンが大好きな歌らしい。
カラオケで歌ったりするそうだ。

生きることの苦しみさえ消えるというよ                          ・・・・・・・・・・・・・・・・・
すばらしいユートピア
こころのなかに生きるまぼろしなのか


ユートピアの逆はディストピアだが、
どちらも管理社会の意味合いが強い。
AIに管理される、ある種清潔な社会。


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