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【Oka-Changの縁側日記】第2回沈丁花

突然ですが。
保育園なり幼稚園を卒園した日から小学校の入学式までって、せいぜい3週間とかじゃないですか。
それまでは(園の規約で)絶対的に保護者の付き添いが必要だったというのに、突如始まるソロ登下校。
わたしはあれがほんとに意味が分からず、幸いにも当時は執筆連載が終了したばかりだったので、時間が許す限り、娘の登下校に付き添っていた。

今から思えば、子どもの成長というのは、ある種グラデーションの、ぐちゃぐちゃに混じり合ったまま続いていくため、社会から設定された節目に準じることにより、俺ら保護者の意識にピンを付けてくれていたのかもしれない……と、そんな風にも思えるのですが、当時はそれに気づかなかった。気づけなかった。

そんな親側の葛藤など、お子には一切関係ない。
あっちふらふら、こっちふらふら。
危なっかしいことこの上ない足取りで、新たな学に入る。


通学路の途中に、大きな沈丁花の木があった。
あれは入学式当日だったか。
マンション管理人のおじさんが、まだたくさんの花を付けている沈丁花の枝を切り落としていた。
好奇心旺盛、人見知りゼロの娘は、おじさんと沈丁花に駆け寄った。
「いいよ~。好きなの持ってって」
おじさん、大盤振る舞い。
大ぶりの枝を1本戴き、それを数本に分けて各部屋に飾った。
花が落ちたあとは花をつけていた部分から新しい芽が伸び、水差しのまま、おじさんの沈丁花は明らかに生きていた。
そのまま枯れる様子なく、水差しのまま順調に季節を越えていった。

水から土への引越し記念撮影。
水→土の、この時だけは、土に気を遣ってあげた方がいい。
アイリスオーヤマから出てる「ゴールデン粒状培養土」がお薦め。根の張りがいい。


小さな鉢ゆえに、台風の時など鉢ごと倒れること数回。
「気になった時に、気にする程度」ではあるが、気になったらなるべく数日以内に応急処置はする。
ハードボイルド風味で言いますが、枯れた時は枯れた時だ。



おじさんの沈丁花、今年の様子はこちらです。

2024年2月。地球温暖化につき、早めの開花。



ヒヤシンス、スミレにフリージア。そして沈丁花。
この時期の花からは、おじさん……ではなく、天国の匂いがする。

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