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水【インタビュー#3】『私の大切な言葉』vol.1・3 by 上月航さん


今回は、『私の大切な言葉』vol.1・3です。

第3回目のゲストは、上月航(こうづき わたる)さん。

上月さんは、筆者の学部時代の同期で、現在は教員をされています。学部時代には、主に「美術教育」を専門に研究されていました。

いつも面白い場の空気を作ってくれる上月さんの「大切な言葉」とは?

言葉との出会いのきっかけや、高校時代のエピソード、「大切な言葉」を通じた自身の意識の変化ついてお話ししていただきました。

さぁ、上月さんの「私の大切な言葉」を聞きに行こう!


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_______今回のテーマは「言葉」ですが、普段から言葉には敏感ですか?

あ、そりゃあ、しますね。かなり。もうかなり敏感です、これはもう。


_______かなり敏感。それは、どうしてですか?

「人間の考えてること」って、考えてる人にしかわからなくて。それを他の人が知る時、「言葉」しかないんです。


______なるほど。

だから、こっちから見てこういう風に見えるけど、その人が違うこと言ってたら「言ってたこと」しかこっちは受け止めきれないので。「言葉」そのものが、喋ってる人の「中身」を写しているのかなっていう風に思ってますね。


_______なるほど。嘘をつく人は?

それもまた、その人の一面であって。



________では、「自分が見たその人」がその人であって、噂などの話はその人ではないということでもありますね。

そう。それは、噂でしかない。幾ら周りに何て言われようと、自分の話すことが自分。そうですね。敏感ですね、かなり敏感。


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_________ではそんな上月さんの「私の大切な言葉」は何ですか?

あぁ、ないなぁ。


_________まさかの、ないなぁ!!(笑)

敏感とか言っときながら「ない」(笑)


__________教えてください(笑)。

「言葉」っていうのかわからないですけど、最近常に意識してるのは、「意味わかんないけどおもしろい」っていう。


_________「意味わかんないけどおもしろい」。

すごい大切にしてます。意味わかんないんだけど、わかるんですよ。でも全部は理解しきれてない、でもおもしろいみたいな。好きなんですよね。


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_________「意味わかんないけどおもしろい」。例えば、どんなものがありますか?

それこそ、最近ハマってるYouTube、「はじめまして松尾です」。ほんと何言ってるのか全然わかんない、全然脈絡もないことが飛んでくるけど面白い。


_________日常の中にはありますか?

この前、漫画読みたくて、広告を見れば読めるっていうので渋々広告を見てたんです。なんか、三色ずらして揃えて消していくアプリの広告なんですけど。その広告が、元々クリアできない状態になってて。スクショしたんですけど。(画像を見せながら)

これ三色、一個ずらして揃えるんですけど、そもそも二色ずつしか無いっていう。わけわかんないようになってる(笑)。でも面白いかなって。ちょっと全然やらせる気ないじゃん!みたいな(笑)。


_________不思議ですね(笑)。普段、面白い発見はよく人と共有しますか?それとも自分で取っておきますか?

両方。最初は自分の中でとっておくけど、いやぁこれは面白いなって思ったら共有したくなっちゃう。


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_________「意味わかんないけどおもしろい」を意識するようになったきっかけは何ですか?

高校一年生くらいの時。中学校まで生徒会長をやって優秀だったんですけど、高校で背伸びして頭の良い高校に入ったら、全然 学力がないんですよ。で、なんか真面目に生きていくことに限界を感じて。そうなったらじゃあおもしろいことしたいなっていう。「逃げ道」ですよね。いや、ほんとかどうかわかんないですけど。あ、でも自分で言っちゃったからこれほんとなんだ。やばい! 逃げ場なくなってる(笑)。そういうことにしておきましょう。


________それ以前は、ふざけたりしないタイプだったんですか?

いや元々してたけど、より表立ってするようになってしまったっていう。良いのか悪いのかわかりませんが。


_________言葉から、どのような意識の変化がありましたか?

何事も楽しめるようになったかな。意味わかんないけど面白いって、どうしてもヘラヘラしてるように思われてしまうけど、そうやって(意味わかんないけどおもしろいっていう風に)考えたら、やらなきゃいけないことも楽しくなってくる。嫌なことって絶対あるじゃん。例えば僕だったら、アイスホッケー部だったけど、本当はすごい嫌でなんで続けているのかわかんない、わけわかんないけど、その続けてる自分がちょっと面白くて。


_________自分を俯瞰して見ている?

そう、なんか。全然面白くないことやってるその自分が面白い、って思えるようになって何でも楽しめるようになった。


__________落ち込んだりする時も?

落ち込むときは、落ち込みますけど。相当落ち込みますけど(笑)。でもそれが、時間経つと俯瞰して見て、なんであんな落ち込んでたんだって。結局、逃げ道なんですよ。わかんないですけど。あっ、またわけわかんないこと言っちゃった。でも、それが自分らしさになってるって思いますね。


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__________では、最後に「言葉との出会い」とはどういうことだと思いますか?

「気付いたら、そうなってた。」なんかかっこいいこと言っちゃった(笑)。他にも(意味わかんないけどおもしろい以外にも)面白いことっていっぱいある。お笑いとか、しっかりこう道筋だって面白いものも、もちろん面白いし確かに笑えるんだけど、何だろう、突然きた「は!?」みたいな。短く面白い、パっときて、パっと面白いみたいなのがすごい好きで。それは、ずっと自分の言葉のモットーとして。


_________「言葉」のモットー。

「面白い」基準で考えると、話の長い人ってつまんない。いくら最後のオチが面白くても長すぎるとね、薄れちゃうから。パッてきてパッパッていうのがね。(話が長いと)何だろう、なんか違うんだよなっていう違和感を覚える。だから、自分は短く面白いを突き詰めようって。まだ全然、道半ばですけど。


_______唐突な「意味のわからなさ」という広い意味での「言葉」の面白さとの出会いから、上月さんのこだわりや美意識のようなものが磨かれているのだと感じました。本日はお話いただきありがとうございました!

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「意味わかんないけど面白い」上月さんの大切な言葉 

高校時代、勉強に行き詰まりを感じたという上月さん。「それならば、おもしろくいたい」と感じたことをきっかけに、生活の中の小さなことにも面白さにも見出すように。意味がわからないけど、なんとなくわかる面白さ。そんな不思議な面白さに魅了され、現在の上月さんらしい面白さが生まれたのでしょう。これからも、いろいろな「意味わからないけどおもしろい」を作り出し、たくさんの出会う人を笑わせてくれるはずです。







水【インタビューvol.1・3】「私の大切な言葉」
取材協力:上月航さん
企画・取材・撮影・編集:岡本彩江







次回、4月下旬公開予定。ぜひ、お楽しみに!





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