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日本がキャッシュレスになるのはいつ頃か

1. 政府の目標

日本政府は「キャッシュレス・ビジョン」に基づき、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%にする目標を掲げています。この目標は、2025年に大阪・関西で開催される「万博」までに、より多くの店舗や地域でキャッシュレス化を進め、観光客や国内利用者の利便性を向上させるという計画に基づいています。

長期的には、政府は2030年代に80%以上のキャッシュレス比率を目指すとしていますが、これはかなり高い目標です。現状では多くの課題が残されており、キャッシュレス化のペースは地域や業種によってばらつきがあります。

2. 現在の普及状況

日本のキャッシュレス決済比率は約36%(2023年時点)とされており、まだ現金が主流となっています。これに対し、韓国や中国などの他のアジア諸国ではすでにキャッシュレス決済の比率が80%以上に達しており、これらの国と比較すると日本は遅れを取っている状態です。

-スマホ決済(QRコード決済)や電子マネーの利用は都市部や若者を中心に増加していますが、地方や高齢者層では依然として現金が主流です。

3. キャッシュレス化の促進要因

-スマートフォンの普及
スマホを使ったQRコード決済や電子マネーの利用が広がる中、特に若年層を中心にキャッシュレスの利便性が浸透しています。

-新型コロナウイルスの影響
感染症対策として、非接触型の決済が注目され、キャッシュレス利用が加速しました。多くの店舗がQRコード決済や電子マネーを導入し、利用者も増加しています。

-インフラ整備の進展
キャッシュレス対応のPOS端末や決済システムの導入が進んでおり、小規模店舗でも導入しやすくなっています。

4. キャッシュレス化を阻む課題

-高齢者層の利用ハードル
高齢者層を中心に、現金を好む傾向が強く、ITリテラシーが低いこともあり、キャッシュレス決済に慣れるのに時間がかかる可能性があります。特に地方ではキャッシュレスの利用率が低い地域も多く見られます。

-現金の安心感
日本では、犯罪率が低く、現金を持ち歩いても安全であるという安心感があります。また、現金は手数料がかからないため、現金での取引を好む人も多いです。

-インフラの遅れ
地方や中小店舗では、キャッシュレス端末の導入が進んでいない場合があり、特にインターネット環境の不安定さが原因となることがあります。

-2025年
政府目標の40%達成が一つの大きな節目となります。大阪・関西万博やその後のイベントもキャッシュレス化推進の契機となるでしょう。この時点で、都市部ではほぼキャッシュレスが主流となり、観光地や一部の大規模店舗で現金を使用するケースが減少する可能性があります。

-2030年以降
キャッシュレス決済の技術がさらに進化し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)などが登場することで、現金の必要性がさらに低くなる可能性があります。80%のキャッシュレス化比率が達成されるかどうかは、政府や企業の取り組み次第ですが、高齢者のライフスタイル変化や地方へのインフラ整備が進めば、可能性は高まります。

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