見出し画像

ICFコア・コンピテンシー7:気づきを引き起こす【英語動画まとめ】

こんにちは。英語資料翻訳シリーズ第8弾です。
国内で活躍するコーチ、コーチングをビジネスや生活に生かしたい方に向けて、英語の資料(論文、ブックレビュー、インタビュー、ウェビナーなど)を翻訳 / 要約し、日本語で掲載していきます。

今回も、ICFコア・コンピテンシーの解説動画の翻訳 / 要約をしていきます。今回は、7つ目のコア・コンピテンシー「気づきを引き起こす」です。

全8回の解説動画は、こちらから視聴できます。

ICFコア・コンピテンシーとは、ICFが定めたプロコーチの能力水準の記述のことで、公式サイトによると、以下のように説明されています。

ICFコア・コンピテンシーは、ICFによって定義された今日のコーチング専門職で使用されているスキルとアプローチについての理解を深めるために開発されました。これらのコンピテンシーとICFのコーチングの定義は、ICF資格認定試験を含む資格認定プロセスの基礎となるものです。(中略)
コア・コンピテンシーは、各グループのコンピテンシーを見る共通の方法に基づいて、論理的に組み合うものをグループ化して、4つのカテゴリーに分けられています。それぞれのグループや個々の能力水準は、すべてコーチとして満たすべき核となる不可欠の資質であり、どれも等しく重要で、優劣はありません。

https://icfjapan.com/competency

ICFの認定資格(ACC, PCC, MCC)を取得するためには、コア・コンピテンシーと倫理規定についての180分のテストを実施しないといけないほか、プロコーチとして活動する上で考え方の基盤となる、必要不可欠なものです。


目次


動画について

今回は同シリーズの7回目、Giuseppe Totino氏(MCC)の解説による"気づきを引き起こす Evokes Awareness"です。

以下、インタビュアーの質問と、Totino氏の回答を要約してQA形式でまとめます。
逐語訳ではありませんので、全体をご覧になりたい方は、youtubeの自動生成翻訳で確認してみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=obmS_yLwpSo


概要

Q:このコンピテンシーはどのようなものですか?

このコンピテンシーの核心は、コーチがその振る舞いによって、コーチングの会話をクライアントにとって有意義なものにし、クライアントがコーチングに求める洞察と学習を促進する気づきを引き起こすということです。セッションやコーチングの関係全体でクライアントが達成したい結果のための気づきをクライアントが自分自身で得るためにコーチングを活用するのです。

Q:改訂前後の違いはどのようなものですか?

改訂前後の変化はごくシンプルです。
「6. 人を動かす質問」、「7. 明確なコミュニケーション」、「8. 気づきの創造」の3つの改訂前コンピテンシーが、こちらのコンピテンシーに融合され、現在では”気づきを引き起こす"という項目になっています。
そのため、このコンピテンシーの定義とサブコンピテンシーには、今並べた3つのコンピテンシーのいずれかの要素が含まれることになります。

良い実践

Q:メンターコーチの視点から、良い実践では何が観察できますか?

このコンピテンシーについてメンターコーチが注目する行動はいくつかありますが、質問、コミュニケーション、沈黙の使い方がその一例です。

かつては「人を動かす質問」と呼ばれていましたが、クライアントが現在の思考を超えて探索できるような、これまで考えつかなかった問いを投げることが重要です。
セッションでは、クライアントが答える前に、自分の気持ちや考えを整理し、より深いところに入っていくために少し時間をとる様子から、これが達成されていることが観察できます。また、質問が気づきを引き起こしているとき、クライアントがより深いところへ入っている様子が観察できます。

2つ目の要素は、クライアントが好きなように反応できるよう、クライアントを誘うことです。コーチはクライアントの前進のために時間を提供していることを明確に伝えることによって、コーチとのコミュニケーションの使い方を全面的にクライアントに委ねるのです。また、コーチが自分自身の観察したことや考え、視点を共有するとき、それら対するこだわりを感じさせないことが重要です。

3つ目は沈黙で、コーチが沈黙をどれだけ心地よく受け入れられるかです。
クライアントが話し終わるまで待つということですが、別の言い方をすると、クライアントが全ての考えや感情を処理できる場を維持し、本当に味わい切るまでコーチが静かに見守るということです。

これら3つの行動はじめ、このコンピテンシーには、質問の質、クライアントとコーチの話す量、コーチの観察の深さ、応答への誘いなどが含まれます。コーチが熟達していくにつれ、これらの振る舞いの質は変わってくるでしょう。つまり、コーチの振る舞いの質はコーチングのレベルを示しているのです。例えばMCCレベルでは、クライアントのためのスペースの質と量や気づきを引き起こす質問の質も高くなっていますし、コーチよりもクライアントの方が発言力を持っています。

悪い例

Q:このコンピテンシーの習得が遅れていることはどのようなことからわかりますか?

コーチがクライアントの話を遮りながらせっかちに話しているケース、コーチが話す量が、クライアントが話す量よりもかなり多いケースなどがあります。
また、質問が特に気づきを引き起こさない一問一答やインタビューのようなものになってしまうケースや、質問によって考えを深く掘り下げることができても、クライアントの現在の思考やストーリーを超えることができていない場合もあります。

また、コミュニケーションに執着が見られることもあります。コーチが提示したことがその問題の真実だとコーチが信じていたり、クライアントに返答を求めることがなかったりするのです。
このような様子が観察できる場合は、このコンピテンシーの熟達を示すレベルに達していないと判断します。

(インタビュアー)このコンピテンシーを聞いて、以前別のコーチとパワフルクエスチョンについて話したことを思い出しました。彼は、コーチは情報に関する質問をするべきではないと言っていました。情報はクライアントのためではなく、コーチのためにあるものだからです。
また、このコンピテンシーは、改訂版で最も多くのサブコンピテンシーが入っているので、ぜひご一読すべきであることも、読者に伝えたいと思います。


まとめ+感想

コーチングにおける質問は、最終的に新しい気づきにつながっていることが大事であるということを改めて認識しました。質問によって内省が深まることももちろん大事だけど、ただただ深く潜ってそのまま上がってくるだけでは足りなくて、その過程や結果に、クライアントに有益な気づきがあることが大事なんですね。

先日、中井茉由子さんによるプロコーチ向けのワークショプに出席したのですが、そこで紹介されていた「いい質問」の定義として、「コーチがいるからこそ考えられる領域につながる」という内容がありました。気を衒った表現やメタファーでかっこいい質問をしようとしても、それはコーチのエゴでしかなくて、本当にクライアントのために傾聴することで出てくる気づきを引き起こす質問こそがいい質問なんですね。そう考えると、質問がどう聞こえるかは割とどうでもよくて、飾らない小さな質問にも、気づきにつながる力は十分備わっているんだと改めて感じました。コンピテンシーの観点で振り返りをする際も、質問は気づきにつながったか?という観点で振り返りをするのが良さそうですね。

みなさんの感想もぜひ、コメントやツイートで教えてくださいね。

コア・コンピテンシーシリーズ、次回で最終回です!!あと1話、最後までどうぞよろしくお願いいたします!

*あくまで個人的な活動のため、内容に関してお気づきの点、ご指摘などありましたら、お知らせください🙇‍♂️

💡ICF資格取得(ACC, PCCなど)のための翻訳サービスをやってます!
https://ssttstt.notion.site/ICF-f58fb4f864894151a62aaf9ce51fe23d?pvs=4

💡ライフコーチングはこちら! 現在継続は若干空きがあります。
https://www.notion.so/ssttstt/Taku-2ab9883440f843229818f16fa93a40dd


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?