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雇用調整助成金は”申請できるものなら申請して“という流れを感じる、ここ数日の動き。

社会保険労務士のこうぶちです。

4月24日に、雇用調整助成金の支給要綱が「ひっそりと」更新されました。

今後の申請に影響が出そうだと感じたポイントは以下の通りです。

1 計画届について、2回目以降の届出について省略できる。

2 労働保険料を納付していない事業主については、本来は全ての助成金の支給対象外となるが、緊急対応期間中はこの条件を外す。すなわち、労働保険料を納付していない事業主でも申請することができる。

3 支給申請日の前日から起算して1年前の日から、支給申請日の前日までの間に労働法令に違反している事業主については、2と同じく全ての助成金の支給対象外となるが、緊急対応期間中はこの条件を外す。

1については、申請手続きの簡略化の一環だと思われます。しかし、計画届では売上5%減の事実についても記入が必要でしたので、これの提出が1回のみとなると、売上要件は1回だけ満たせばいいのか、という疑問が残ります。当然後からの調査で確認する事は可能だと思うのですが、ここは続報を待つ必要がありそうです。

2と3については、労働保険料の滞納と労働法令違反。これらの行為をしてしまった事業主については助成金を受給することができないという前提があるのですが、今回はそのルールを特別に外すという事ですね。ちなみに今回、同じく風俗業についても今回は特別に申請できるようになるという報道がありましたが、これも今回の更新で明記されています。

この2つの条件を外したということは、今回は申請の条件に該当する事業主にはできるだけ申請して欲しい、という意図があるのではないかと思います。

ただ、当然通常の場合はこれらの行為を行った場合は助成金は受給できませんので、しっかりとした労務管理が必要であることは言うまでもありません。

あともう1点、雇用保険の被保険者以外を対象とした『緊急雇用調整助成金』について、書式が変更されました。これから申請する場合は、以下のリンク先にある新しい様式を用いて申請する必要があります。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyouchouseijoseikin_20200410_forms.html

さらに昨日、雇用調整助成金における助成率の拡充に関する報道がありました。

厚生労働省のホームページでは概要のみ示されていますが、2段階での拡充となっているようです。

1中小企業が解雇等を行わず、平均賃金の60%を超える休業手当を支払った場合、その超えた部分に対する助成額を特例として10/10(=全額)とする。

2上記を満たす中小企業のうち、以下の要件を満たす場合は、休業手当全体の助成率を10/10(=全額)とする。

・休業要請を受けた施設を運営する事業主で、これに協力して休業を行っていること

・以下のいずれかの手当を支払っていること

1)労働者の休業に対して、100%の休業手当を支払っていること

2)助成金の上限額(8,330円)以上の休業手当を支払っていること。ただし、支払率60%以上の場合に限る

https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000625165.pdf

これらの情報を見る限り、「何とか雇用は維持して欲しい」という国側の意思が感じられます。

とはいえ、相次ぐ情報の更新、助成額の上乗せなどでハローワークをはじめとした問合せ先では相談のために何時間も待たされたり、電話がつながらず、つながっても回答は数日後、という話も聞きます。

しかし、この雇用調整助成金、申請には期限があります。現時点では緊急対応期間として、6月30日までの休業に対しては計画届の事後の届出も可能ですが、支給申請についての期限は別に設けられているのです。


例えば、毎月末日締め、翌月10日払いで給与を支払っている会社の場合、4月に休業させた分の助成金については、賃金締日の翌日から2か月以内、すなわち7月1日までに申請する必要があります。つまり、「6月になってから書類を準備すればいいや」と思っていると、間に合わない可能性もあるのです。

近くに問合せできそうな社会保険労務士がいれば、問合せして頂くことが一番良いと思うのですが、それが難しいという方もいらっしゃるかも知れません。
地方自治体や商工会議所では、社会保険労務士と協力して相談会を実施しているところもあるようなので、これから受給を検討されている方は、そういった窓口を活用していただくこともひとつの方法だと思います。

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都内で開業する社会保険労務士です。「分かりにくいことを分かりやすく」「今必要な情報を手許に」を目指しています。

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