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間違ってない証

結婚指輪を、結婚して一周年で購入した。

オーダーメイドの指輪屋さんで、個人経営の
気さくなお兄さんのお店。

それは今も私の左手薬指にあって、キラキラと蛍光灯の光を反射して輝いている。


ときどき私は、すごい不安に駆られる。

私の人生は間違っていないだろうか。

私はこのままでいいんだろうか。

なにか間違いを犯していないか。

私は、このままの私でいいんだろうか?


漠然とした不安。
仕事なのか、私生活なのか、人間関係なのか。
その不安がどこから来るかわからないが、
とにかく、無性に不安になる。

自分が自分を疑ってしまっては、誰も認めてくれる者など居ないのに、自分で自分を疑ってしまう。

後悔が、無いわけじゃない。
でもこの道が、私が見出した最大の善処だ。
しかしその最大の善処が間違っていたとしたら?

さてどこからリセットすればいいんだろう。
そもそも私、最後どこでセーブしたかな。
オートセーブ…だっただろうか?
いやいやこのゲームはオートセーブが無い。
あれ、セーブ機能もあったんだったか。

やり直しの効かないゲームの中で、
私は最大の善処を本当に出来ているんだろうか?


ふと、そんなことを考えて下を向く

下を向くと、何かに共鳴したように左手薬指の指輪がキラッと一回だけ光った。

なにもない、その一回のキラめきが
あれだけ悩んだ不安を全て吹き消した。

「大丈夫。何も間違ってないよ」

そう教えてくれたようだ。
あぁなんて心強いパートナー。
旦那にも言えない不安を、感じとって励ましてくれた。

ありがとう。
疑ってごめんなさい。

オーダーメイドで、一から型を作ってもらった
世界に一つだけの指輪。
とっても小さな、5号の指輪。

でもそれはとても大きな私の支えで、
私の生きる糧になっていたようだ。



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