ハムレット142-143 Ⅳⅴ

王 御機嫌は如何だったかな、お嬢さん?
オフィーリア ええ、お蔭様で。梟(ふくろう)は、昔、麺麭(パン)焼きの娘だったのでしょう?
陛下、私達も、只今はさて置きまして、これからどうなりますことやら… 神様に乾杯!
王 (傍らに)父親のことか?
オフィーリア お願い致します、そのことは仰っしゃらないで。もしや、何の由と聞かれましたら、こうお答えしていただきたいの―
 (歌う)明日は祭日、聖ヴァレンタインの祝いの日― 朝まだきに起きて、娘の私は貴方の窓辺にヴァレンタインの贈り物― 貴方はのそりと起きて来て、やうやう服を身に纏い、そうして、お部屋の戸を開けるのよ。それから、娘の私をお入れになって、暫しの後に帰してくれる、娘じゃない私を帰してくれる―
王 可愛いオフィーリアや!

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