４月３０日㈫　仮に犯罪者だとしても話しかければいい

・ホテルの部屋に人間がいた痕跡を消す仕事。
　１年の３分の２を山小屋で働きながら暮らし、オフシーズンだけ降りてきてアルバイトしているUさん、来週からまた山に入るということで今日が最終日。
　
　朝、エレベーターでUさんにベテラン熟女Sさんが「じゃあ今のうちに生ものたくさん食べとかないとね」と言っていて、その発想無かったわさすが熟女！と感心した。

　山の上で同僚３人以外とほぼ接しないという暮らしを年に８か月もなさっているということは、きっと犯罪者に違いない、というとんでもない偏見を私が抱いていたため、なんか怖いなと勝手に怯え、あとUさんも無口な方というのもあり、なんやかや４ヶ月一緒に働いていたのに一度も喋ったことがなかった。

　でも、今日帰りに私が作業道具とか片付けてたら、先にあがっていたUさんがわざわざ来てくれて挨拶してくださって、めちゃくちゃ良い人だった。
　もっと早く喋っておけば絶対仲良くなれた。

　ほんと、話せるうちに話せる人とちゃんと話しておかないとな、と反省した。

　反省したので更衣室でさっそく坊主同僚Iさんに養命酒のことを話しかけてみたら、Iさんは以前アリナミンEXの錠剤を飲んでて凄く効いてものすごく疲れがとれたんだけど、その代わり飲まなくなったら一気にドッと疲れてしまう身体になって逆に恐くなった、という話をしてくれた。

・人妻の家に行ってその家に住んでいる子供に知恵を授ける仕事。
　生徒さんの友達のベトナム人の子は母子家庭で、水商売をしているお母さんが早朝に帰ってくるのだが、朝５時半に突然母に起こされて何だろうと思ったらお母さんが泣いて謝罪をしてきたとのこと。
　なんでも、酔って帰ってきて食器を洗っていたら、その子がBTSあの一番くじで当てた、その子の推しメンをモチーフにした馬がデザインされたマグカップをうっかり割ってしまって取っ手がとれてしまったらしい。

　お母さんはメルカリで探してなんとか買おうとしたものの、今やもうプレミアがついていて２万円とかになっていて、パニくった挙句に２０００円のJRAの競馬のマグカップを買ったらしい。