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裁判官だって人間なんだから〇〇します(道路運送車両法違反) 傍聴小景 #24

裁判を傍聴していると、
魔が差してしまった罪を犯してしまった事例をたくさん目にし、自分はそのようにならないよう自身の心に留めます。
また、裁判官、検察官、弁護人のうっかりなども目にして、同じ人間なんだと安心したり、自分ならこうするのにと思ったり、あとはやっぱり頭いいなぁと感心したりと、どちらにせよ人ととして感じるものがあります。

この前、私が大好きな「Q.E.D」という漫画で、裁判官をAIが務めるという架空の話がありました。大変よく練られていて、面白かったのですが、いい悪いってことでなしに、裁判に人間っぽさが失われるのは寂しいなと思ってしまいます。

はじめに


罪名:道路運送車両法違反
被告人:30代の男性
傍聴席:3人

あまり、この罪状を聞いたことがないという読者の方も多いのではないでしょうか。
その名の通り、道路運送車両法という法律への違反なのですが、その罪状での多くが「車検切れ」の車を公道で運転していたというもの。

そういう人の場合、免許証を更新していなかったり、自賠責保険にも入っていなかったりというのも多いので、「道路運送車両法違反」で裁判になる場合は「道路交通法違反」と「自動車損害賠償法違反」という3つがセットになっていることが多いので、だいたいがだらしない人を正す裁判ってのが多いので、あまり新たな学びがないのです。

ただ、今回は「道路運送車両法違反」単体ということで、少し珍しいなと思い法廷に足を運びました。

事件の概要(起訴状の要約)

被告人は、氏名不詳者らと共謀の上、盗難車につけられていた
ナンバープレートをあらかじめ用意をしていた偽造のものと取り換えた。

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