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医者もお墨付き?男性に自信が持てる薬を独自ルートで販売する男(医薬機法違反、商標法違反) 傍聴小景#54

結果としてそうでも無かったなっていう当たり外れは当然あるんですけど、事件の内容を聞いた瞬間に、noteに採用案件キタ!と思うようなテンションになることがあります。いわゆる突飛な案件というやつですね。

ただ、私のコンテンツは基本的にネタそのものというより、関係者が何を語ったかとかで採用を決めることが多いので、実は結構事件自体は面白かったけど…とボツになっているものもあるのです。

というスタートなので、皆さんわかりますね。


はじめに

罪名 :
・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反
・商標法違反
被告人:40代の男性
傍聴席:平均5人(計5回)

この「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反」という長い罪名、元々は薬事法違反という名前で、この名前の方が聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。

名前の通り、医薬品や医療機器、化粧品などの有効性、安全性の確保のために定められた法律のこと。幅広いものが対象なので、何の違反かドキドキではあるのですが、結局は違法薬物の話が多いので、なんか珍しいものが当たればラッキーくらいの気持ちで見るのです。


事件の概要 ~5万錠も押収された〇〇~

被告人はバイアグラ、シアリス(共に性的不能治療薬)を模した商標権を有していない模造品の薬物を販売した。

偽バイアグラ!
男性にとっては、その単語だけで興味が引かれてしまいます。なぜバレたのか、どこで仕入れてどこで販売していたのか、効能はちゃんとあったのかなどなど。
気になる点は多々あったのですが、初回の裁判はバイアグラ、シアリスともに製薬会社に確認し、模造品でありかつ被告人に商標使用を認めていない事実が判明したことと、被告人に医薬品の販売資格がないという証明だけで、続きは次回となってしまいました。

なぜ次回に回すことになったかというと、

押収している薬物があまりに多過ぎて捜査に時間がかかるためとのこと。

これは期待大!と思っていたのですが、そこから数回の裁判については、別の予定と被るなどしてなかなか行けず…。次に傍聴できたのは初公判から4ヶ月も経ったころ。

4ヶ月も経ってまだ裁判が継続していたことに驚きつつ、なんとか情報をつなぎ合わせてみると、


押収された薬物は約5万錠とのこと!

普通の調剤薬局って在庫としてどれくらい持っているものなんだろう。そして、被告人には医薬品の販売資格がないというのに…。

これは意地でも追い続けなければと、強い意識を持ち、最終的には判決までここからさらに3ヶ月、初公判から実に7ヶ月の時間を要した裁判になったのでした。

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