裁判の判決ばっか集めちゃいました 傍聴小景 #21
「甘栗むいちゃいました」的な感じで始めます。
刑事裁判の進行には大きく分けて以下の3種類あります。
つまりは、裁判の途中の様子は全然わからないけど、「判決」の部分だけ傍聴するのことができるのです。多くの裁判が判決だけなら5分~10分程度で終了します。
そこだけ見ても…とお思いかもしれませんが、どうしてその判決を下すにいたったかの理由を説明するに際し、事件の内容はおおまかに説明するので(裁判官によっては割愛しますが)、短期間で事件内容に多く触れるという意味では結構勉強になるのです。
という訳で、「なんで?」という疑問は残るものもありますが、判決のみ裁判特集です。
No.1 下着泥じゃ飽き足らない男
被告人は、窃盗前科により服役中だったのですが、仮釈放期間に犯行をしてしまいました。
我慢できないなら、仮釈放も「いや、自分いいっす」とか断れないものかななどと思ってしまいます。
今回、盗みに入ったのはベランダに干してあった女性用の下着。
これで、「住居侵入」と「窃盗」の要件は満たすのですが、「住居侵入」についてもっと犯行を重ねていました。
女性用下着を盗むだけでも十分偏った性癖だと思いますが、それでは飽き足らず、
自分が盗った下着の人ってどんな顔しているのだろう?と気になった被告人。
深夜、家のカギがかかっていないことを確認し、
その女性の寝顔を見に行ったとのこと。
いやぁ、これは引きました…。やっぱ想像を超えてくるのが裁判ですね。
もし、この話をして「なるほどね」という反応する人がいたら、その人も要注意ですね。
裁判では、この辺りの性癖についてどこまで掘り下げたのかなぁ、とても気になります。
というか、こんな人を釈放したら、その判断を下した人もある程度怒られちゃうんじゃないかなんてことも気にしちゃいます。
まぁこれくらい重くなりますわな。
その寝顔云々の件って、どうやって発覚したのかな。寝顔ってことで、もし被害者がそんなこと知らなかったとしても、ちゃんと告知をするのでしょうか。
こういう疑問が残っちゃうのが判決回の今一つなとこだけで、本編見てても、それらクリアになるかわからんしね。
No.2 朝活で逮捕された男
被告人はこれまた同種の前科で保護観察処分中だったのですが、路上で陰茎を露出したとのこと。
ただ、この人は露出をしたといっても、壁に向けて行ったようで、広く見せつけるためではないという悪質性の低さは裁判所も認めたとのこと。
壁に向けての露出ってどういうことなんだろう。どーんとは見せないけど、壁に向けてコソコソしているのを見かけた人が覗き込んだら、実は露出してましたー!ってのが好きってことなんかな?それならそれで、自身の目的は果たしているから悪質とも思うけど。
とにかくこういう人の考えはわからん!
その悪質性は高くないとしたものの、犯行は朝に行われており、
中学生が目撃したことから、そのショックで通学路を変えざるを得なくなってしまったということ。
朝の露出ってだけでも悪質だと思うけど、とんだ朝活ですね。
この罪状って最大でも懲役六月なんですよね。逆にいうと、この罪で過去最高クラスに悪質って判断されたのってどんな内容だったんだろう。
事件のことを茶化すべきではないってのは、百も千も承知なんだけど、この「公然わいせつ」って罪だけは、どうしてもその意識が抜けないんだよなぁ。
被害者の方、本当にすみません。
No.3 罰金刑のほうがキツい男
被告人はユニバーサルスタジオジャパン内のお土産コーナーにて、お菓子やバスタオルなどを盗んだ疑い。所持金が少なくなったから行ったと供述したとのこと。
楽しい楽しいテーマパークで何をしているんでしょうか。
ただ気になったのは、実際こういうテーマパークでの犯罪ってどれほどあるものなのでしょうか。
テンション上がりまくってキャラクターに度を過ぎたいたずらをする威力業務妨害的なのはあるかもしれませんが、他はどうなのでしょうか。
そう考えると、例えばここでしか買えないレアグッズが欲しくて、と窃盗事案なんかも多いかもなと思ったり。
逆に、一般社会で多くてテーマパークだと想像しにくい犯罪だとしたら、「食い逃げ」でしょうかね。腹ペコペコでどうしようもない人は、わざわざテーマパーク来ないですからね。一杯のかけそばしか頼めないけど入場料は4人分払ってますとか、それはそれで見てみたい気がしますけど。
一般的に罰金刑って懲役刑よりも軽いって思われがちですけど、一方で執行猶予がつくともちろん再犯したらかなりきついですが、あまりダメージなしと捉える人もいそうなのも事実。
そんな中、今回お金に対する認識が甘々な被告人に対して、罰金刑が処せられたのは、被告人にとって一定以上のダメージがあって、いい反省機会になったのではないでしょうか。
No.4 T〇Oの木下に似ていた男
被告人は、覚醒剤使用の前科が多数あったのですが、今回もまたやっちゃったということでした。
事件の内容は言っちゃ悪いですが、ありきたりでしたね。
前科多数なのに、判決文の中に
「今後は薬物依存者向けのクリニックに通うと言っている」というのが今さら?って思ったのと、
「家族の監督に期待できる」というのが、これまた今回はなぜ?ってのが強かったのですが、まぁとりあえずそれくらいは書いておいてあげるかってことだったと勝手に認識しています。
傍聴席には奥さんと思しき人が来ていました。
被告人が法廷の裏に連れていかれるのを法廷の柵ギリギリまで立って、涙ながらに見守っています。
それに対して、被告人は「んじゃ」と言って去っていきました。
これが慣れというものなのでしょうか。僕なら何も言えないか、「ごめんね」の連呼くらいしかできなそうです。
皆さん、自分ならと想像したらどんなセリフが出てくるんでしょうかね。
そんなこんなで駆け足でしたが、判決特集回でした。
今回の内容はYouTubeでも公開しています。
noteの方でも判決特集回はこれから月一で書いていきます。
んじゃ。
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毎月約100件の裁判を傍聴している中から、特に印象深かったもの、読者の方に有意義と思われるもの、面白かったものを紹介します。 裁判のことを…
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