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そもそも資本主義社会がすごいな【おじさん小学生の譫言vol.1】

独自性のために行動できる人は、すでに独自の存在

マルクス「資本論」が、まあ〜難しく、その参考書「世界の思想シリーズ 資本論(佐々木隆治)」を読むのにも苦労していたので、いったん更に簡単そうな「超入門資本論(木暮太一)」を読んでいる。

どうやら資本主義社会では、企業が利益を追求することが、長期的には商品の「コモディティ化(一般化)」をもたらし、あんまり違いのない他社製品同士では量や価格でしか競争できなくなるので、逆説的に利益を得にくくなっていく構造があるという。

差別化が図れない労働者も、同様にコモディティ化して不利な立場になっていく。それに対抗するために、この本では読者に対してUSP(Unique Sales Proposition:独自のウリ)をもったフリーランスとして働くことを、一つの解決策として提示している。

ではそのUSPをどうやって獲得するのか?そのためには「他人がマネできないような積み重ね」をすればよい!という感じで書かれて、この本は終わる。その主張自体は間違っていないような気もしなくもない。

しかし、この本に書かれているように「相手にとってのメリットがあり、ライバルが少なく、マネされにくい」USPを「3年間」積み重ねることができる人間というのは、その時点で相当レアな、能力の高い個体ではないだろうか?

それだけの判断と行動を実際に継続できる人間は、その能力の高さによって、既にコモディティ化をまぬがれること(USPを獲得すること)が約束されているのではないか?

そもそも社会と会社が、すごい仕組み

特別なやる気や知性をもった人間は少ない。独自のウリを持っている人間も少ない。そして、特別なやる気と知性をもってして、独自のウリを獲得するために行動できる人間は、さらに少ない。

しかし、今現在、実際に社会と呼ばれる大集団の中では、労働者と呼ばれる人たちが、会社と呼ばれる組織で、労働して給与を受けている。逆に、こっちの仕組み(資本主義社会)が、そもそもすごいのではないか?と思わされてしまう。

資本論を書いたマルクスも「資本主義を完全にぶっ壊せ!」などとは書いていない(っぽい)。資本主義というのは、これこれこうなっていて、こういう限界があるよね。ということを書いている(らしい)

限界があるということは、その限界までは機能しているということでもある。そこから先に、全員で行こうとするのか、わかってるやつだけが出し抜こうとするのかでは、とるべき戦略や考え方は全然変わってくるだろう。今回提示されている方法は、後者であるように思われる。

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