カードゲームをプレイせずに「デッキ」の概念を理解する
「デッキ」は便利な概念なので、より多くの人に伝わってほしいと思って書きました。
カードゲームやる人すぐ「デッキ」って言いがち
私もそうなのですが、カードゲームをやっている人というのは、何かと物事をカードゲームに例えがちなんですよね。
特に多用されるのが「デッキ」という表現なのですが、今回はこれをカードゲームをやったことない人にも分かるように解説できないか、ちょっとやってみようと思います。
「デッキ」ってなに?
まず、「デッキ」と聞くと、カードゲームをやらない方は何を思い浮かべますか? デッキ(deck)は一般的に、船の甲板を意味する言葉ですよね。
この「デッキ」がトランプの一組(52枚)を表す言葉として用いられ、それがカードゲームにも適用された…という経緯があるようです。
でもちょっとまって?トランプだってカードゲームじゃないの?
いや、実際そうなのですが、実はカードゲーマーが想定している「カードゲーム」には、トランプは含まれません。一体なぜなのか?
ここでいう「カードゲーム」ってなに?
というのも、ここでカードゲームと呼ばれているアナログゲームの名称は、正式には「トレーディングカードゲーム」なのです。
「トレーディング」というのは、交換や取引という意味です。つまり、この種類のカードゲームにおいては「カードの交換や取引がある」というのが、トランプと最も異なる点になります。
トレーディングカードゲーム(以下:TCG)は、お店で特定の枚数のカードを都度購入したり、友達同士でカードを交換したあと、それらを決まった枚数の中で、自分で組み合わせてから対戦して遊びます。
トランプは最初から52枚の組み合わせが固定されていますし、それを参加プレイヤーで共有しますよね。対照的にTCGでは、プレイヤー自身がえらんだカードのセットが、それぞれに用意されます。
この「自分で組み合わせたカードセット」のことを「デッキ」と呼んでいるわけです。
ではなぜカードゲーマーたちは、この「デッキ」を便利な例えとして使うのでしょうか?
デッキが表す3つの要素
それは以下の3つの要素を表しているからではないでしょうか
どういうことか説明させてください。
TCGにおけるデッキというのは、60枚(ゲームによっては30枚)と決まった枚数の中で、自分が最良と思う組み合わせを選択して、構築しなければいけません。
その一方で、最も枚数の多いTCGレーベルには現時点で16000種類を超えたカードが存在し、しかもこれからもどんどん増えていきます(一部大会ルールだと、そこから2000~3000種類程に限定されます)
その中から生まれる組み合わせは、効果的なものだけに絞っても、かるく何千通り以上にはなるでしょう。
ということは、可能性は膨大だが、自分が選べる道は有限…これって何かに似ていませんか?
はいそうですね。「人生」です。
デッキだと思って現実をプレイせよ
つまりカードゲーマーは、人生と、そこで起きる状況を「デッキ」に見立てて考えることができるわけです。
たとえば一日というのは有限(24時間)です。この枠の中に、どのような時間の使い方を当てはめるのか?というときに、一日を「デッキ」と見立てて構築することができます。
また部署の作業分担を考える時も、限られた人員にどのように役割を当てはめるのか?ということを考えているカードゲーム中毒の係長がいるならば、おそらくメンバーやタスクが「カード」に見えているはずです。
ニュアンスが伝わればゲーム自体をする必要はない
この「無数の可能性の中から自分で限られた選択をしたもの」=「デッキ(構築)」という概念が分かってさえいれば、カードゲーマーのたとえ話を聞かされても、わざわざTCGを始める必要はありません(TCG人口は増えてほしいですが!)
なので、今日はこれだけでも覚えて帰ってください
これが分かれば「人生のデッキ構築中」とか「人生のデッキパーツが揃ってない」とか言われても、なんとなくニュアンスが理解できると思います。
To be continued…
で、これに関連してカードゲーマーが(そして格闘ゲーマーも)よく使うもう一つの言い回し「コンボ」とは何か?についても解説する予定でしたが、文量が多くなりすぎてしまったため、また次の機会にしたいと思います。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました!
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