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第2回寄稿 ヨルノサンポ団 「いつだって、はじめまして」

見本市2024「しばいぞめ」では、活動最初期にあたる9団体を選出し、ショーケース型の公演を行います。

【公演詳細】
見本市2024「しばいぞめ」
2024年1月5日(木)ー9日(日)@王子小劇場

インタビュー企画に続いて"団体からの寄稿"を集めました!
公演に先駆けて、団体さんの個性を知っていただく機会になれば嬉しいです。
第2回目の寄稿はヨルノサンポ団さんからお寄せいただきました。

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はじめまして。ヨルノサンポ団の脚本・藤代耕平です。テーマは「しばいぞめ」ですね。僕の人生には、しばいぞめが二回あります。

一回目のしばいぞめは、大学生になった時。京都大学の演劇サークル「劇団ケッペキ」に入り、演劇活動をスタートさせました。それまで全く演劇に興味がなかったし、ちゃんと見たこともありませんでした。なぜ始めようと思ったのか……謎です。そして何故か、希望と自信に満ち溢れていました。本当に謎です。

サークルに入って以降は順調にのめり込み、役者として演じることに魅了されていきました。初めて舞台に立ったのは一年生の十二月。大学近くの、西部講堂という空調もないだだっ広い小屋で、白い息を吐きながら演技しました。

登場人物を演じているはずなのに、裸の心を晒しているような感覚。舞台上で、「この世界に生きていること」を強烈に実感したのを覚えてます。

時が経ち、就職と同時に演劇活動も終了。社会人としてバリバリに生きてやると意気込んでいました。演劇をやることはもちろん、見に行くことも一切なくなりました。たぶん、楽しかった日々と綺麗にお別れしたかったんだと思います。

そして……社会人三年目くらいだったでしょうか。二回目のしばいぞめが訪れます。

仕事に慣れ、経済的にも自立して、何一つ不便のない暮らし。健康だし、友達もいる。全てが順調だった頃です。本当に嫌気がさしてしまうほど。

だから、主宰の飯田とヨルノサンポ団を結成し、演劇を再開しました。とにかく、未来が見えない世界に飛び出したかったんです。

演劇をゼロから作りたくて、自分で脚本を書くようになりました。それからは地獄のような日々です。毎日、何か題材になるものはないか、必死で探します。公演をうてば作品を批評され、心拍数が上がります。力不足を痛感して、夜中に叫びたくなります。寝不足です。……そして、生きてるって実感しています。

今は、学生の頃よりはるかに、演劇の難しさと向き合ってる気がします。何かを掴んだように思えても、次の日には「勘違いだったかもしれない」と肩を落とす。脚本を書けば書くほど、公演をうてばうつほど、演劇を知り、わからなくなっていく。

そう考えると、二回とはいわず、僕は毎日のように「しばいぞめ」をしているのかもしれません。

結局何が言いたいのかわからなくなりました。

さて、新年早々の見本市。僕らにとってはもちろん、おそらくお客様にとっても、2024年のしばいぞめになることでしょう。お互いが素敵なスタートを切れるように、精一杯頑張ります。よろしくお願いします。


稽古の様子
稽古の様子
稽古の様子

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◎作品情報◎

ヨルノサンポ団「パれイドりあ」

~あらすじ~
殺人事件の現場から逃げる人影を目撃した真実(まなみ)。顔はよく見えなかったが、どこか兄の誠に似ている気がした。その翌日、誠は失踪する。一年後、母・信子と真実のもとにひょっこりと帰ってきたマコトは、顔を整形し、面影がなくなっていた……。

~作・演出~
作:藤代耕平 
演出:飯田充

~出演者~
信子:硯矢千智
真実:宇留野花(幻灯劇場)
マコト:生田有我

〜スタッフ〜
演出補佐:村上太基(共通舞台)
音響:平井宏樹
制作:小栗あかね、青梅ひさし
宣伝美術:恵口愛実

~参加チーム・タイムテーブル~
Bチーム
(企画山、演劇ユニットタイダンと同時上演)

2024年1月
5日(金)19:00
6日(土)15:30
7日(日)19:30
8日(月)14:00
受付開始・開場は開演の30分前。
上演時間は約100分予定(1団体につき約30分の上演)。

〜ご予約(ヨルノサンポ団扱い)〜
https://shibai-engine.net/prism/pc/webform.php?o=hr7nuonm

※次回は明日、山口綾子の居る砦さんからの寄稿です。次回もまたお会いしましょう!

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