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能動経済#121 無職が増える現代で
910文字
俺もシンギュラリティで苦しんでる一人だ。
同僚が欲しい。ワイワイ仕事に取り組みたいのに、仕事自体は機械化すればするほど儲かる。もちろん機械化できる仕事ができているのは幸運だが、モチベーションを保つ方法を探している。
機械に仕事を奪われていく人々を横目に何もできない俺。もちろん彼らが職を失うのは当然なんだけど、それにしても機械化の速度は圧倒的すぎる。
昨年、俺は会社の権限で様々な人を雇用させていただいた。一見、多様な働き方が許されている現代において、彼らの希望や能力に合わせて仕事を作っていった。
もちろんうまくいく部分もあったが、殆どが半年以内に燃え尽きた。最初から誰も雇わず、全て自分で行ったほうがうまく行ったと結論付けざるを得なかった。
機械化は残酷だ。昨年、俺は彼らに引っ張られて仕事に行けなくなった。もちろん彼らに責任も罪もないのだけれど。真剣に仕事をしているしバリューも出しているのに、なぜか儲からない。一方で、機械を使いこなして作業を効率化すると驚くほど成果が出る。
主体性を持って働いている人間など、ごく僅かだ。俺はそれに絶望すると同時に、「組織」がもはや機能しなくなった現実を知った。
昨年の強烈な体験からなんとか復帰して、こうしてなんとか状況を整理できている。
そういえば、1つだけ大成功した雇用形態があったのだ。
くわしくはここに書かないが、その雇用形態とは人間を機械として扱うことだ。特にクリエティブの領域で効果を発揮した。
古田更一「本は破れ!」に書かれているように、これからはアートが法律になるだろう。これを今回の文脈で述べると、「美のもとでのみ、人間は平等を保証される」であろうか。
本当は美のもとでさえ、人間の「平等」が保証されるわけがないことくらい、スタバのマックの女子高生も既にご存知だろう。
美に基づいて、様々な人間が裁かれることになるだろう。
最後に、シンギュラリティで解雇された人間の仕事を述べる。それは無償労働だ。続ければいいことがあるかもしれないという希望だけを頼りに、永遠に無償で働かなければならない。
これは大げさな事を言っているわけではない。俺もシンギュラリティで苦しんでいる1人だ。
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