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エダマメ電話

家庭菜園でとれる野菜はうまい、なぜ?
有機栽培だからとか愛情がこもっているとか、理由はいろいろあるだろう。1番は、新鮮なとれたてをその日に食すること、だと思う。

エダマメは畑で茹でろ、と言われるほどに鮮度が味を左右する。これまで何度か家庭菜園で作ったことがある。が、今はやめている。S農園のエダマメを知ったからだ。

近所のショッピングセンターの〇〇産直広場で見つけた。6月から7月にかけて、産直で並ぶなか、ためしに1袋買ってみた。甘い。うちのより格段にうまい。

Sさんが店先の台に朝採りのエダマメを手持ちして並べる。評判が良いのか、売り切れの時が多かった。Sさんを見かけたとき、農園の場所を聞いた。自分の家の軒先でも売っているという。行ってみた。奥さんともう1人、3人で収穫したエダマメを袋に詰めていた。以来、車で20分ぐらいかかるが、時々買いに行った。八百屋の場所代と消費税が差し引かれている。電話で予約しないといけないほど人気があった。

電話がかかってきた。
「今日は〇〇広場に今年初めて出荷したのよ。雨続きだったから少なくて。お店の人から動きが悪いと聞いたから」
奥さんからだった。

「おウチではやってるの?」
「やってます。やっと外に出せるようになったから。今日は30袋だけ」
「帰りに寄ってみる」

並んでいた。他の枝豆の横に、数えると10袋余り。まあまあじゃない。2袋をカゴに入れた。

エダマメ農園から電話がくる。そんな季節になった。