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中嶋悟さんも無免許運転だった

もう時効でしょうから。バイクの無免許運転はスリルがありました。古き良き時代、元F1レーサーの中嶋悟さんと少しだけ重なるものがあります。

日経新聞「私の履歴書」、11月からは中嶋悟さんです。
『家の敷地内とはいえ、無免許だから褒められたことではないけれど、これといって大したことは起きない平凡な中学生の日常の中で原動機のついたものを動かすことが、自分を慰める唯一のものになっていた』

中学生、この年代は背伸びして、「動くもの」にあこがれるんですね。身近にあったのはホンダスーパーカブ。乗りたくてしょうがないけど免許がない。練習は先生が帰ったあとの学校のグラウンド、田舎ですから。 山手(山の中)の連中は誰もいない道路です。

部活で天体観測をやってました。夜中に集合するのはもちろんバイク。初心者だから暗い夜道は慣れてない。万が一のことがあるから、ゆっくり、目立たないように学校に集合する。

『こぶを見つけてジャンプしたり、スピードの出るところでバイクを横に倒してスライドさせながら曲がったり』

我々の「こぶ」は野球場のマウンド、車体がほんの少し浮いたときの車体やお尻の感覚、レーサー気分でした。でも昼間は野球部員、タイヤ跡はまずいので終わったあとは土ならしして証拠隠滅。

あるとき、部活の先生から呼び出された。
「駅前の店から注意があった。おたくの生徒がつるんで夜中にラーメンを食べに来たと」
「はあ」
「気をつけるように」

それだけ。バイクで行ったのはわかっているはず。いい時代でした。

もうひとつ。

高校に上がってバイクの免許がとれる年齢になった。教習所に行くと教官がいきなり目の前のバイクに乗れという。
「みんな乗り方知ってるだろう?」
「いいえ!初めてです」

タヌキの化かし合いのような実地訓練、運転上手なのは隠しようがありません。