技術料、今さら言われても
「この幅だと場合によっては技術料をいただくことになります」
「え?」
今さら言われても。玄関のドア幅が狭く、買い替えた冷蔵庫が中に入らない。といっても持ち戻りは選択肢にはない。
玄関がだめならと一階の居間から入れてもらうことにした。サッシを開けて寸法を測るとぎりぎりだった。現物合わせしないと確約はできないという。
ふたりして狭い通路を担ぎあげて運び、庭で梱包をといて、サッシを開けた空間にあててみた。いけそうなのでそのまま運び込んでくれた。
「作業の前に、そう言うことが決まりなもんで。今回は、技術料はいただかなくて結構です」
ところで、技術料って何?
家に入らないときは、ドアや窓サッシをはずして入れるしかない。その作業のことでしょう。今回入らなかったら技術料っていくらになるの?と聞くと、5千円だという。自分でははずしたことはないけれど、そう難しいものじゃないらしい。
日当2万円としてふたりで4万円、5千円なら1時間仕事です。まあ、リーズナブルな金額でしょうね。
置き場所の寸法はきちんと測ったけれど、玄関がだめなら庭から回ればいいや、くらいの軽い気持ちだった。それが案に相違しての事態になりかけた。
事前アナウンスは形式とはいえ、あとで言われても払わざるをえない費用。それを嫌だからといって返品することはない。寸法をきちんと測って品物を選ぶか、欲しいのを優先してダメならその場で技術料を払うか。今回は後者でした。