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まず、ひとつ

「はっきり言って、消化不良です」
「そう、AさんやKさんに見てもらってる?」
「はい、助けてもらってますが」
「どこがひっかかってるの?」
「それが、その、自分でもよくわからないんです」

2年目にはいったHさん、研修もきちんとこなし、所感もうまくまとめた。売上数字のまとめや資料づくりはさすが、今どきの若い人です。社内発表もうまい。ところが、自分の担当をもったとたん、次から次に新しい課題が振りかかってくるのに、仕事が進まない。

詳しく聞いてみた。いままでやってきたこと、今やらないといけないこと、それがすんだら次はどうするのか、仕事の手順をホワイトボードに図示してもらったが、どうも要領を得ない。

ウチの営業の仕事って、おおまかな手順はきまってます。最初はサンプル評価、だめなら代替品、つぎは納入仕様書、見積書、契約書...。

ノートには、AさんやKさんのアドバイスをぎっしりとメモ書きしている。聞いて、頭ではわかっているつもりでも、今自分がどこにいるのか、つぎはどこに行けばよいのか、迷子になっている。そう、全体像がわかってないようなのです。

ボードの図を整理し、おおまかな手順を説明して、個々にやることをあげてもらって書きくわえ、最後は時間軸で順をきめる。

迷子の彼には、まずひとつ、最初から最後まで自分でたずさわる経験をふんでもらうことです。全体像を空間的・図形的にみることができるようになったら、手順がわかり、消化不良も少しは解消されるでしょう。

まずひとつ。
つきっきりのOJT、徹底的におつきあいすることにしました。
トシヨリにはちょうどいい仕事です。