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他人にしてもらった良いことを描く②シャッター押しを頼まれたこと

自分で良いことをしたと思っても、それが他人にとっては押し売りになったかもしれません。でも、他人からしてもらったことは、自分が感じることだから、これは良いことに間違いはありません。今回は、シャッター押しを頼まれたこと。

日本武道館。M大学の2020,21年合同の入学式の看板がありました。朝7時すぎ、前を通り過ぎようとしてスマホで写真記録を撮っていたところ、
「押していただけます?」
母娘の武道館入口を背にした写真を頼まれました。
望遠つきの一眼レフ、全体像と看板をいれたアップを2,3枚、シャッターを押して

「同級生の入学式に父兄役で出たことがあるんですよ」

カメラを返しながら、つい出たのが思い出ばなし。
同級生のG君は一浪してM大に入学、わたしは一足早く前年に別の大学に入って2年生。フォーマルな上着など持っているはずもなく、学生服を着て2階席に座って下のアリーナ席に友人を探した覚えがあります。

1枚の白黒写真、広い館内にたくさんの人、ひと。それが目に、焼きついたように出てきました。もうひとつは、深く響くワグネルの校歌合唱、いい曲だなと思ったこと。それだけが鮮明に記憶の中から出てきました。

40年以上前のこと。田舎から上京して、「東京」に圧倒されたそのころの一コマです。

母娘の声掛けのおかげでした。彼女らは良いことをしたとは思ってないでしょうが。