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仕事はお金のためだけじゃない、されど生活には金がいる

春が近い。賃上げシーズンで、労組が要求する金額や会社の回答が例年にない粗い数字を見かける。5%は最低線、10%、20%、40%まで出た。仕事のモチベーションアップは報酬だけじゃない、されど金はベースだ。若い人の賃金をどんどん上がるのを横目で見てうらやましいし、結構なことだ。いずれトシヨリにも回ってくるだろうから。

異常気象、コロナ、戦争、円安。物価が上がる理由はいくらでもつけられる。原材料が先頭を切り、食料品が10%上がって、えっ?と思ったのはつい先日のこと。この春からは運賃が上がり、夏には電気代30%アップが控えている。

で、それに見合う給料のベースアップ。だがIT産業や欧米の高給から比べればまだまだ足りない。IT企業の技術者や理研の若手研究者は20%、ユニクロにいたっては最大40%だという。人材の確保が最優先なのだろう。他社に負けない報酬を出さないと、人がいなくなっては成長も及ばない。

公的年金支給額は物価スライドだ。ニッセイの試算だと物価上昇が2.5%に対して、少子高齢化による年金額抑制策で1.8%(68歳以上)、2.1%(67歳まで)になりいずれも差し引きは目減りになる。

若い人の数が少なくても、金額が充足すれば年金制度は成り立つ。どんどん給料をあげてもらって、国に納める金を増やせばよい。やがて自分たちにもやってくる「トシヨリ」時代に安心して暮らせるために。

同時に、今のトシヨリを、まず支えて欲しい。このままの年金額じゃ現実の物価上昇に置いけぼりになって生活が困窮するのは目に見えている。