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「番頭はんと丁稚どん」式はジョブ型の働き方へ変われるか(1)

ずいぶん前のこと、調べると1960年ころ、「番頭はんと丁稚どん」という番組が毎日放送で放送されていたという。残念ながら記憶にないのだが、1972年ころのリメイク版の放送は見たことがあります。大村崑が番頭役で、レッツゴー三匹が丁稚どんでした。

この番頭と丁稚というのは長い間つづいてきた日本の雇用体系のベースといっていいでしょう。旦那さん、御寮さんが所有する店を雇い人の番頭が仕切る。使用人は丁稚から始めて手代というふうにすすんで、ゆくゆくは番頭をめざすという働き方です。この形式は、今のサラリーマン会社でも同じような運営がなされています。

オーナーに代わって会社をとり仕切る「番頭さん」的役職の方には、これまでも数多くお会いさせていただきました。そして彼らのもうひとつの役割には、後継ぎ社長を「おやじ」の代わりに、厳しく育てるということがあります。そういう番頭さんには人間的にも魅力的な人が多いように思います。

丁稚からはじめて手代、番頭へ。最初は仕事の一部をうけもつだけで、言われればなんでもやる。そのうちにまかされるようになって、別の仕事をすることもある。マネジメントを担い、経営感覚も磨かなければならない。番頭さんを手本にして仕事をし、そこを目指していく。これは今のサラリーマンも同じですよね。

コロナ禍を機に、大企業のなかで働き方のしくみをかえていこうとする会社が出てきているようです。在宅勤務やテレワークにジョブ型の働き方をとりいれるということもそのひとつですが、終身雇用を前提とした「番頭はんと丁稚どん」の世界に、はたして浸透していくのでしょうか。