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ジェロントロジスト

長い間そのままになっていた預金がある。「財形貯蓄」ですこしずつ貯めたお金だ。大した金額じゃないのだけれど、金利は安いし、かといってリスクのある投資はこのお金ではしたくないし、と考えている間に時間がたった。思い立って銀行に行き、順番待ちして相談にのってくれたのがこの人、ジェロントロジストさんだった。

名刺にはこう書いてあった。
○○信託銀行コンサルティング営業課
Sさん
銀行ジェロントロジスト

小さい字だったので、最初は気がつかなかった。

アクリル板越し、マスク越し、5類になったとはいえ変わらない環境。大きな画面のタブレットで説明してくれ、興味がありそうだとすぐに「紙」に印刷して手元においてくれる。元金を減らさずに増やしたい、相続税対策は?などのポイントをきちんと言ってくれる。

ところで、ジェロントロジストって何?と聞いてみると、トシヨリ相手の窓口対応のプロだという。

ジェロントロジー「Gerontology」とは「加齢学」なんだそうだ。初耳だった。

身体能力、認知機能が低下してくるトシヨリ顧客に対して、世代特有の興味(リスクヘッジ、相続、孫など)を、わかりやすい説明と辛抱強い対応で相談にのり、ビジネスにつなげる。金融業務資格のひとつらしい。
30代であろう女性ジェロントロジスト-Sさんの提案はふたつだった。

元金保証で高利回り、今は金利の高いドル預金がベスト。円ドル70円で元本割れする商品がある。売らなければ損はしない、相場を待てばよい。

相続税には、3千万円+相続人数x600万円の基礎控除がある。生命保険払戻金(受取人数x500万円まで)はそれからも除外される。だから相続税対策は生命保険がいい。

なるほど。
トシヨリには良く理解できた。その場で紙に印刷した2つの資料をもらって帰った。

さて、どうしようか。