製鉄から文章術への連鎖
「CO2を発生させない水素還元製鉄法をあたらしく開発した」
ふーん、すごいことじゃないですか。ところが、この新聞記事をみて連想したキーワードが「文章術」「採用面接」でした。つながりそうにないテーマが連鎖した経過です。
大学の物理化学だったか熱力学だったかの講義にさかのぼります。
酸素をくっつけたり、離したりのエネルギー計算の例に鉄をとりあげた。製鉄の化学です。鉄鉱石にコークス(石炭)を作用させて酸素をとり(還元)鉄をつくる。その際にCO2が発生する、これ、常道でした。温暖化など話題にもなってない時代です。
担当のY先生、あるとき宿題をだした。
「最寄り駅からこの校舎までの道順をわかりやすく書け」
なんだ、なんだ?
徒歩15分くらいなのですが、駅前からキャンパスを通りぬけ、山を下って民家をとおり、ラーメン店でまがるか、コーヒーショップまで行って左折するか。いろんなルートがあります。
エネルギーを計算するのか?上って下ってるからエネルギーは同じじゃないのか?それが成績にプラスになったかは不明でしたが。
卒業してしばらくたって、本屋で偶然Y先生の本をみつけた。「エンジニアの文章術」、パラパラっとめくると
1.道案内
2.家の間取り
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〇.綿菓子
たぶん、次の年の学生には「家の間取り」だったのでしょう。「綿菓子」まで1章ずつ毎年貯めて本になった。章立て数と卒業後の年数、出版年がほぼあっているから多分そうじゃないかと思います。
本って、こういうふうに書くものなんだと感心しました。買ったのはもちろんです。
時代はくだり、これ、採用面接につかわせてもらってます。知らない人に道順などを簡明に説明する、営業として必要なスキルですよね。