NISAは顧客ファーストか
NISAは少額からの投資を行う人向けの非課税制度だ。株式の売買で利益を得ても、所得税を払わなくていい。売った株価が買い値より低ければ損をするが、もちろん税金は払う必要はない。NISAで投資している分には、税金は不要だ。お勧めだと皆が言う。
じゃあ、NISAは顧客ファーストか?
株式の売買には、一部の会社を除き、証券会社は手数料を取る。これが「お勧め」から抜けている情報だ。
田舎に住む母親が要介護認定を受け、施設にお世話になった。実家に誰もいなくなるので、母の預金通帳を預かり、ついでに郵便物の整理をした。証券会社からの運用成績報告書があった。投資信託なのだろう、株式売買の取引状況が記されている。
月締めの結果は、わずかにプラス。株式変動があるなか、まあまあじゃないと思いながらページをめくった。詳細が載っていて、売買回数が月に10回を超えているのだ。買ったと思えばすぐに売り、また買う。それの繰り返し。
手数料と税金(NISAはなかった)のオンパレード。なんだ、手数料稼ぎか。
バカらしくなって証券会社に電話して解約したのは当然のことだ。
非課税取引だというので、売買を繰り返すのは得策じゃない。
税金も、売買手数料もフリーになれば、NISAは顧客ファーストになる。