犬は本を読まない
「気温30℃を超える中で、靴を履かせずに散歩させている」と体調を気遣ったクレームがあったという。靴を履いてないのは、ヒトじゃなく犬。盲導犬が散歩じゃなく、仕事をしているときだったらしい。
犬を飼う、いや、犬と一緒に「生活する」人が増えている。飼い犬の数は国内約700万頭だ。ちなみに、猫は960万、8歳までの子どもの数は約850万人。子どもと犬を同格化するわけじゃないが、一緒に連れて散歩しているのは、犬の方が多い。
昔は、犬は番犬。家の外にいるのがふつうだった。マンションだと通路やベランダでの番犬の役目はいらない。飼ったことがないのでよくわからないが、部屋で一緒に過ごすのだろう。
毎日風呂にいれてシャンプーして、服もきせて。きれいにしているんだろうなあ。散歩に出て、汚れたところなどは抱いて通っていく。もちろん、先の盲導犬への指摘じゃないけれど靴を履いているのもいる。ベビーカーのようなクルマに我がもの顔で座っていたりするのも増えた。
犬を連れて仲良く散歩する若い夫婦をよく見かける。そういえば、トシヨリ夫婦での犬連れはあまりいないなあ。犬を連れているのは、たいてい一人だ。犬には仲良くしてもらっているのだろうか。
近くのショッピングセンターは食品売り場を除いて、ペット連れOKだ。新しく出来た国道沿いの本屋さんも、ペット同伴が売りのようだ。一角に喫茶コーナーがあって、席についている人は、ほとんどが犬を抱いていた。立ち読み?スツールが空いたのでコーヒーを飲みながらと思ってカウンターに行った。が、止めた。
臭うのだ。
見た目はきれいにしているようでも、たくさんいるとね。犬好きにはわからないのだろう。それともその「匂い」がいいのだろうか。少しは離れたところでは、ベビーカーに放っておかれた犬が鳴いている。早々に退散した。
犬好き、犬連れ、人それぞれだから文句をいうつもりはない。
が、犬は本を読まない。本を読んだり買ったりするのは「人」だということもお忘れなく。