やっぱり、もったいない
春の家庭菜園はジャガイモの植えつけからはじまります。3月中旬にいつもの店に種芋を買いに行ったら「今年は入荷が少なく早々に売り切れた」という。
天候不順だったらしい。そういえば、昨年ポテトチップ用が不足して値上がり、フライドポテト用は海外からの輸送停滞の影響で販売が休止になった。種芋用にとっておくはずのジャガイモを食料不足でたべてしまい、翌年植えることができなかったという寓話を思い出したほどです。
でも寓話はむかしの話、いまは種芋用と生食用は区別しています。ウイルスや細菌、病害虫フリーにするための処理がなされているから種芋用は食用には適さない。
こまりました。近所のホームセンターをはしごして、ようやっと男爵を1袋、3㎏20ケほど手に入れた。いつもなら半分に切って植えつけますが、40ケも植える場所がない。おおぶりのイモを切らずにそのまま畑にならべていたら「もったいない」コールがとんできた。
見ていた隣の畑仲間です。かれらも同様、すこししか手に入らなかった。目のまえの「丸ごと植え」は看過できなかったようです。「半分植える?」ときいても、すでに植えたあとで場所がのこってない。「じゃあ、もったいないけどしょうがないね」というところに、大家さんがとおりかかった。
「やっぱり、もったいない。あそこが空いているからそこに植えなよ」
半分に切ったのこりの20ケは、特別枠の新天地で芽吹きを待つことになりました。