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45分じゃ足りない

「45分車検」。以前、トヨタのディーラーで車検不正があった。最短45分車検をうたったことで整備士の負荷が高まり、コンプライアンス上の問題につながった。「45分」って、短いのか、そうじゃないのか。

会社に勤めていると、45分のインターバルで仕事をすることは少なかった。ひとつの仕事をやるのに、45分で事足りることもあるが、そうでない場合のほうが多かった。とくに他人との調整がはいるときなどはとても足りない。

45分のインターバル仕事。小学校の授業がそうなのだ。1コマ45分、6時限が標準だろう。ちなみに、中高生は50分だったと思うし、大学は90分だった。生徒が集中できる時間から45分と文科省が設定しているらしい。

じゃあ、45分間で授業内容を区切ることができるのだろうか。

地元の小学校に理科教育職員として勤務している。簡単に言えば、理科の授業の補助の仕事。実験の準備や授業のお手伝いだ。小学校の先生は忙しい、45分過ぎれば5分後には次の教科が待っている。教科書だけならまだしも、実験や観察があればとてもひとりじゃ回らないのも事実だろう。

6年生の理科で「燃焼」の単元がある。空気中でロウソクを燃やして、酸素、窒素、二酸化炭素の役割を考えさせる。今の授業は教科書を読み、理解させることじゃない。ロウソクを燃やすと何が起こるのか、考えて予測させ、グループでディスカッションし、発表する。そのあと、実験をして、結果を記録し、まとめ、考察して発表する。

先日は広口ビンのなかで、ロウソクを燃やしてフタを閉め、火が消えたあとの酸素と二酸化炭素の量を検知管で測るというものだった。グループごとのディスカッションと予測、発表、それだけで30分近くかかり、実験の説明、注意などは超特急で終わらせ、やっと手を動かす。が、グループによって上手下手、要領のよしあしで進捗に差が出る。

チャイムが鳴った。45分じゃ足りない。それでも延長して検知管で測るところまでは終わらせた。が、数値を読みとり、それが妥当なのかというチェックはできないまま、次の授業のチャイムが鳴る。

じゃあ続きは次回に。週をまたぐと覚えてないだろうなあ。

理科の実験はいつもうまくいくとは限らない。それでよい。うまくいかなかったら考える。それが、理科の授業だろう。45分じゃ足りないなあ。せめて2コマ連続でやれないものかと思う。