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名前のわからないヤツ

ヤツの体長は6㎝ほど、ちょうど、わたしの小指くらいの大きさ。色は茶色で角(つの)があり、ちょこんとした突起の3対の足で小枝をつかみ、逆さになってぶら下がっている。大事なブドウの苗木を丸裸にしてやがって。

2匹めです。ひと月ほど前にも退治したのに、またか。

下の娘はシャインマスカット、家人はクインニーナ。好きなブドウがちがう。昨年、近所の大学社会人講座でブドウの育て方を少しだけ、そう、剪定から摘果、袋掛けを実習した。小さな果実の可愛らしさと成長の過程に感動した。鉢植えもできるそうなので、昨年苗木を指定銘柄1本ずつ買い求め、今夏は水やりを欠かさず世話をした。

3年目の苗木は1.5m程度まで伸び、小さいながらも葉をたくさんつけ、ひげを伸ばして添え木に巻きついた。来年ひとつでも花がつけばと冬越しの作業の準備をするところだった。

丸裸です。いくらブドウは落葉するとはいえ、自然に落ちるのじゃない。ヤツが食い尽くした。根本あたりにほんの1枚、小さな葉が残っているだけ。枝先のやわらかいのは、1匹目にやられ、のこりはコイツにやられた。

写真をとってGoogleレンズで調べても、「ケムシ」としか出てこない。「ガ」の幼虫にまちがいはないと思うけれど、ただの「ケムシ」じゃ愛想がない。この類の写真投稿は、みんな好きじゃないのでしょうね。

割りばしでつかむと、「ケムシ」の柔らかさがない。体表面が硬く、もがいて動くこともしない。さては、大事なブドウの葉を食うだけ食って、さなぎの手前なのか?

1匹目は家の前にある空き地の草むらに放り込んだ。あとは知らない。こやつもと思ったけれど、名前もわからずにそのままじゃと思い直し、ブドウの小枝ごと切り取って庭の植木にくくりつけた。

さて、こやつの子孫が再来するか。来年はブドウの生長との競争です。