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「分相応」のすすめ

甲子園も最終日、折りしも今年は新人が入社する日と重なりました。高校野球と社会人、育て方のキーワードは「分相応」です。

高校球児の中にはすぐにでもプロで活躍できそうな選手がいます。でも大半は高いレベルはもっていても、まだ粗削りであり、鍛えて成長を促し、待つのが監督の仕事です。

常総学院の島田監督は横浜球団の投手だったそうです。決め球になる球をもたないのを自分でわかっている。エイヤと勝負することはせず、考え抜いた配球で工夫を凝らして活きのい球を投げた。「分相応」がわかっている、中継ぎとして頼りになる選手だったと権藤博さんはいいます。

この「分相応」は褒め言葉なんですね。

「アマチュアの指導者は我慢と根気。できなくても当たり前なのだから、多くを求めて焦ってはいけない」と、監督としての島田さんに期待しています。

いきなり仕事を与えてこなせる新入社員などほとんどいません。プロ人材が欲しければ、プロ野球のように他球団から補うか、それがかなわなければ、高校球児のようにアマチュアを鍛えて待つしかありません。

今年も新入社員が入ってきました。彼らは背伸びをしがちです。こちらも多くを求めそうになります。

育てるほうも、育つほうも「分相応」に。自分を見据え、努力すれば最大限に能力を発揮できる道です。

そういえば、「(分相応に)わきまえている」と発言して辞職したオリンピック関係の会長がいましたね。

この言葉、使いかたが難しいですね。

分相応:言動・支出・生活・待遇などが、その人の身分・地位・能力などにふさわしい様子(新明解国語辞典)