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#149『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』松本同弘

 著者は独自の療法をお持ちの方でかなりの能力者である。実に偉そうなことを言うがなかなか良いことを言っている。というかかなり鋭い着眼点である。
 健康法や治療法は考え方から行い方まで実に色々ある。で、私は一種の超能力を使う方なので、あんまり物理的一辺倒のものは退屈であると感じる。物理的なだけでは不十分というのではないが、やはり程々に観念的でなければならない。勿論その観念が物理現象として把握されなければならない。
 著者は「肚揉み」(私の治療法の一つ)をしていたのである。その中で、まず「腸の硬い/柔らかい」、これが首、手首、足首、腰首(って言葉は初めて聞いたが、くびれのこと)、乳首の「硬い/柔らかい」と連動していることに気付いた。そして肚揉みは危険もあるので、肚自体にアプローチするのではなく、これらの「首」を緩めることで腸に状態を好転させるという手法を開発した。
 この理論だけでも素晴らしい。

 そもそも腸は生命活動の主役である。腸が先にあり、脳はあくまでも後付けされた。だから腸が不調になると生命活動全体が落ちる。還元主義には欠点もあるが、あえて究極の原因や絶対の指標を名指せば腸と言わざるを得ないだろう。それ以外のアプローチは所詮、腸に影響する範囲で成功を収めるに過ぎない。
 で、腸の状態は精神状態を見事に映している。著者の物質:精神のバランスの良さは、そもそもこの理解に起点があると思う。何を食べればどうだとか、そういう話は重要ではない。
 もう一つ面白かったのは、臓器にはそれぞれ対応する感情があるのだが、私の見解と一致していた。やっぱりそうなんだ、と確認した次第。
 
 緩め方であるが、
・締めて⇒ゆるめる
・自分でやる
 これが要旨である。

 ところでなぜ腸の状態が「首」に出るのかという説明が面白い。大腸は緊張によって30%ほども縮むそうだ。するとそれにつられて筋肉も引っ張られる。この結果が全身の筋肉の緊張だと言うのである。なるほど~、である。で、その緊張の行き着く先が上述の「首」であるため、ここを緩めることで、ドミノ倒しを反対方向に起こす、という訳である。
 
・腰痛の原因のほとんどは、腸の硬さ。
・生理中は、子宮内膜を排出するために子宮を収縮させる。それで腰回りの筋肉が緊張する。
・胃が緊張すると胃下垂になる。さらに腸も押されて下がる。それにより骨盤が場を広げるために、開く。これで蟹股、O脚になる。どんなに骨盤矯正しても胃が緊張している限り治らない。
・糖尿病は腸の内壁を浄化すべき。軽めの断食が良い。
仰向けに寝て、膝が浮く(3㎝)のは腸が硬くなっている証拠。
・仰向けに寝て、より外側に傾く足首をゆるめると色々治る。
・靴を見よ。右足の外側が擦り減っていたら肝臓に負担。左の外側が擦り減っていたら腎臓に負担。
・足首の硬さも腸の硬さに由来(という訳で☆#103『朝30秒の正座で腰痛が治る』の価値が改めて分かったのであった)。
・足首をゆるめるのに足指開きパッドが良い。
・足裏刺激の後は水を飲め。
・喜び=心臓、小腸。悲しみ=肺、大腸。怒り=肝臓、胆嚢。恐れ=腎臓、膀胱。思い込み=胃、脾臓。
・腎臓は背中側にあるので、腎臓に負担がかかると背中が張ってくる。反り腰の原因は腎臓。
・巻き肩の原因は肝臓の硬さ。

・烏龍茶は血管中の脂を落とす。

 自分の療法にいくらか取り入れようと思う。

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