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本当の観光情報を求めて

宿泊施設、観光系のウェブサイト制作を始めて、約20年経ちました。
以前のウェブ制作の目的は、パンフレットしかない施設、観光地の情報をウェブ化することでした。今は、リニューアルして今っぽく仕上げる作業が多くなりました。ただこれでは何かしっくりこない。見た目は変わっているけど、パンフレットが行ってきた「情報を伝える」というだけの制作意義は変わっていない。クライアント側は、納得するかもしれないけど、宿や観光地を選ぶ人達には、はたして響いているだろうかと考えるようになりました。僕は綺麗に洗練された同じような情報が並べられたウェブサイトが出てくると、「うわーまたこんな感じか」と思ってしまう。
多少デザインが違うだけで、なんか刺さらない。

なぜだろう???

改めて「観光」って何だろうって考えてみました。「観光」って検索してみると、
「「観光」という言葉は、中国の四書五経の一つ「易経」の一文である「観国之光」が語源とされているが、それは「国の文化、政治、風俗をよく観察すること」、「国の風光・文物を外部の人々に示すこと」というような意味・語感を有していたといわれていること等も考えあわせると、いわゆる「観光」の定義については、単なる余暇活動の一環としてのみ捉えられるものではなく、より広く捉えるべきである。」(国土交通省

これを読んでしっくりきました。これまで僕は「レジャー」情報を伝える情報サイトを作っていたけど、これは世に溢れています。上澄みを紹介するような情報ではなく、もっと深い情報。もっと本質の観光を伝えていかなければいけない。
「そこに根付いた文化」
「そこで働く、生活している人々」
「そこにある食文化」などなど。もっと深い情報。

これから僕は、単なるレジャー観光を紹介するクリエイティブではなく、冒険家・イザベラ・バード(※)が日本を生活する人々と触れ合いながら、日本を紹介した『日本奥地気候』のような情報を発信していきたいと思う。

本当の観光情報を求めて。


※『日本奥地紀行』の著者として知られるイザベラ・バード。制約の多い中、1878年から彼女は日本滞在の7カ月で4500キロ以上を旅した。その目的は当時の日本を記録すること、そしてキリスト教普及の可能性を探ることであった。




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