おじゃめしの学科紹介(AMC 2022 Day2)

おじゃめし

 こんにちはこんばんは,おじゃめしです.今回,Advent Math Calendar 2022 (AMC2022) という企画に参加するにあたり,久々に記事を書くことになりました.最後まで読んでくださるとうれしいです.

 また,AMC2022 ではたくさんの記事が順次公開されていきます.そうそうたる顔ぶれの方が記事を書かれるということで,私自身,今から非常に楽しみです.皆さんも以下のリンクから,是非チェックしてみてはいかがでしょうか!

はじめに

 さて,普段は,大学生の傍ら OMC に参加してわーきゃー言ってる(阿鼻叫喚してる?)私ですが,たまに地元の塾でバイトをしており,そこで時々中学生・高校生から進路についての悩みを聞いたりします.この記事を読んでくださる方の中には中学生・高校生の競技数学 er が多いのではないかと想定しているのですが,そういった方の中で「将来数学方面を専攻したいけど,実際のところどんな感じなんだろう?」と考えている方は多いのではないでしょうか.そこで今回は,私が所属している学科について記事にしてみようと思います.進路などと聞くと堅苦しい印象がありますが,そのような記事にするつもりはないので,どうかリラックスして読んでみてください!

てゆーか,管理工学科って何?

 現在,私が所属しているのは管理工学科という学科です.「何それ?」と思った方も多いでしょう.実際,人前で「管理工学科です!」と言うと,相手は面白いほど一様に怪訝な顔つきをします.そこで,まずはこの学科が何なのかを,自分なりに解説していきます.

理工学部での制度上の立ち位置

 まず,弊学の理工学部ですが,入試時点で5種類の「学門」のうちどれか1つを選ばなければなりません.私は「学門C(数学系)」を学ぶところにいったのですが,ここに進んだ人は基本的に以下の4つの学科のいずれかに進むことになります.

  • 情報工学科:名前の通り,プログラミングとかAIとかをやります.

  • 数理科学科:名前の通り,数学をします.

  • 生命情報学科:名前の通り,生命とか化学とかを学びます(多分).

  • 管理工学科:???

厳密にいえば,学門Dの方も管理工学科に進学できるのですが,管理工学科が多少なりとも数学を用いるような学科であることはわかるかと思います.

数理科学科との違い

 大学で数学方面を学びたいと考えている方が,まず頭に思い浮かべる学科は数学科でしょう.それに対応する学科が数理科学科です.詳しいことはわかりませんが,ある数理科学科の人は「数学漬けの生活でパラダイス!」と言っていたので,きっとそういうことなんだと思います.
 一方,管理工学科でも数学は使うものの,使用方法があくまで工学寄りです.したがって,授業での定理の証明はよく省略されますし,Σと∫は証明なしに入れ替えてもいいです(本当か?).数学方面の進路としてほとんどの方がまず思い浮かべるのは数学科でしょうが,このような学科については,内実が想像つかない方も多いのではないでしょうか.

具体的に何をしているの?

 問題はこれです.管理工学科は何をしているのでしょうか.詳しい説明は学科のホームページを見てもらうことにして,以下では,概略を説明していこうと思います.

 いろいろ解釈はあるかと思いますが,私個人の解釈を述べておくと,管理工学科は「数学の力を借りて,何か問題を解きたいよね~」という学科です.そして『何か』の適用範囲が広いので,広く浅くいろいろなことに手を出すのが特徴です.以下では,個人的に特に興味をもったものについて話していきます.

①統計

 数学が利用されている例として最もわかりやすいのは,おそらく統計でしょう.特に機械学習などのデータ分析が隆盛している昨今において,確率・統計の手法は不可欠なものになっています.弊学科は工学系ということもあり,統計のある程度の理論と手法の利用について学んでいます.
 高校数学の統計と聞くと,正直う~ん…という感じがしなくもないですが,大学での統計では,(数理科学科の統計専攻の方には及びませんが)背景にある理論も学べるので,ある程度納得感をもって手法を学べるのが楽しいです.また,分布を扱う際に級数が出たり積分が出たりするので,個人的にはその部分も楽しかったりします.

キーワード:統計的検定,重回帰分析,分散分析,実験計画法

②経済

 この学科に入って面白いと思った分野の一つが,経済分野です.金融商品に関する研究などもあったりしますが,個人的には特にミクロ経済の分野が面白いと感じています.例えば,ある企業が市場で製品を売るとき,各企業は自らの利潤を最大化したいわけですが,その際に消費者のニーズを無視して価格設定をしても,思うように売れるはずもないですよね.では,どのようにすれば利潤を最大化できるのか?という問いに対して,モデルを立てて数学的に分析してみるのが,ここでのポイントです.現実を抽象化してモデルを考えていくのはもちろん,得られた結果を数式をもとにして考察を深めるまでの一連の流れが,何より楽しいと思えるポイントです.
 また,(例に戻りますが)各企業が自社製品の価格を決定する際,他社製品の価格や生産量も少なからず影響してきます.すると,各企業は他社の動きをもとにして自社製品の価格を決めるという "探り合い" が起こるわけです.この探り合いを分析するのが「ゲーム理論」とよばれるものです!ゲーム理論に関する授業はまだとれていないのですが,来年ゆとりがあったら取りたいな~と思っており,今から楽しみです.

キーワード:ミクロ経済学,マクロ経済学,ゲーム理論

③OR

 ORは「オペレーションズ・リサーチ」の略称で,意思決定の科学とよばれるものです.もとは戦争の設備配置計画が起源らしいですが,戦後になって幅広い分野で応用されるようになりました.私は現在,「都市工学」とよばれる,都市を舞台にしてORの手法を適用する研究に興味があります.ORだけに限っても,紹介したいことはかなり多いのですが,ここでは私が都市工学に興味をもったきっかけとなった話題について話そうと思います.
 突然ですが,目の前に2棟の10階建てのビルがあると思ってください.例えば,これら2棟はいずれもデパートであり,本館と別館に分かれているものとしましょう.ここで,デパート内の「もう一方の棟のビルに行きたい」と思っている利用者のために,連絡通路を設けることを考えます.どの階に連絡通路を設ければ(連絡通路なしの場合より)効率よく人々移動させることができるでしょうか?
 2つのビルの高さを H [m],地上から見た連絡通路の高さを h [m] としておきます.ここで,ある人が高さ x [m] の地点から出発し,もう一方のビルの高さ y [m] の地点を目指すとき,この人の水平方向の移動距離は

  • 連絡通路を使わない場合:x + y [m]

  • 連絡通路を使う場合:| x - h | + | y - h | [m]

となりますね.この人は,2つの経路のうち,距離の短いものを選択して移動するものとします.どちらを選ぶかは x, y の値によって変わってくるわけなのですが,これを場合分けして考えたうえで,移動距離の期待値の最小化を考えてあげます.すると…… h/H の値がおよそ 0.6 になるときにその値が最小となることが示されます.つまり,10階建ての2棟のビルに連絡通路を設けるとき,6階に連絡通路を作れば,利用者が一番便利に移動できるというわけです!

(これについての詳しい過程は,以下の本を参照してください.)

 いかがでしたでしょうか.皆さんも,今度連絡通路を見かけた際は,ぜひ連絡通路の位置にも注目してみてほしいと思います!それはそうと,ORでは主に既存の問題に対して数理モデルを構築し,それを数学的に分析したり解決したりすることを目指しています(モデルの対象が異なるだけで,本質は先の経済の話とつながっているかもしれませんね).このような形で数学がでてくると,個人的にはなんだか楽しい気分になります().

キーワード:DEA,待ち行列モデル,最適施設配置,ハフモデル,奥平のエレベーター断面積モデル,微分幾何学

 ここまで管理工学科で学ぶことについて紹介してみました.管理工学科では上記のほかにも「人間工学」「金融工学」「会計(簿記とか)」「インダストリアルエンジニアリング」「プログラミング(情報工学科との学習内容の違いはよく分かっていませんが……)」といったものが学べますので,気になった方はいろいろググってもらえると新たな知見が得られるのではないかと思います.
 さて,ここまでで私の学科について一通り説明したのですが,最後にもう一つだけ言いたいことがあります.

たまには "The 大学数学" みたいな数学(?)もしたい!!!

 さて,管理工学科に進んだ私ですが,学科選択時は数理科学科と管理工学科でめちゃめちゃ迷ったという過去があります.この学科に入って以降,「The 大学数学」みたいな講義は一気に減少してしまい,学科分けが終わった今でも「数学したいなぁ~」と思うことがたまにあります.ただ,安心してください(?).たいていの大学でそうだと思いますが,大学では自由単位として他学科の授業を履修することができます!この制度により,取りたい授業はいくらでも取ることができます!(もちろん自分のキャパと要相談).現在,私は位相空間の授業をとっており,週1で「The 大学数学」を楽しんでいます!やはり数学はいいですよね!!!ひゃっほう!!!!!!!!キャンパスライフ最高!!!!!!!(豹変)

おわりに

 最後の最後に取り乱してしまいました(失礼しました).今回は,私の所属する管理工学科の紹介をおこなったのですが,皆さんはどのような感想を抱いたでしょうか.数学科とはかなり系統の違う学科であり,面白く感じるかどうかは個人差があると思いますが,㍂こういう分野もあるんだなぁ~ということを少しでも知っていただけたら,こちらとしても嬉しい限りです!ご意見とか感想とかありましたら,お待ちしております.

P.S. 
全然関係ない話ですが,本日 12 月 2 日は私の誕生日です.おめリプ待ってます(え?)

では,また.

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