第25回近畿大学数学コンテスト参加記 & ご飯画像集

こんにちはこんばんはおじゃめしです。第25回近畿大学数学コンテストに参加したので、それについて書きます。問題のネタバレや飯テロ画像もあるので(←???)ご注意ください。

「近畿大学数学コンテスト」とは?

文字通り、近畿大学の数学教室が主催しているコンテストです。参加にあたり年齢制限がないのが特徴です。詳細は以下のリンクをご覧いただければと思います。今年の問題も見れますよ〜。

参加するまで

さて、この近畿大学数学コンテストですが、実は2年前から参加したいと思っていました。というのも、大学生以上になってしまうと対面での数学コンテストの機会がほとんどないうえ、社会人になるとコンテストに参加する暇もなかなかない気がしたからです(第一「大勢で集まって数学を楽しもう!」みたいな企画自体、貴重な経験であるように思います)。しかし、残念なことに私の所属する大学は祝日も授業をするので、去年と一昨年は参加が叶いませんでした。
さて、大学4年生になり特に授業を取る必要もなくなったので「今年こそは出るぞ〜」という気分になりました。実はゼミが被ってしまったのですが、教授に事情を話したら「健闘を祈ります」と言われてしまいました(健闘を祈られてしまった…)。というわけで心置きなく参加することができました。

応募してから

さて、応募してから過去問を改めて見てみました(実は今年の春くらいからちまちま見てはいたが)。去年の問題に関して、解ける問題はある程度解けそうでしたが、35pt以降は割ときついなぁという感触でした。近大数コンの過去問は自由に閲覧できるのですが、解答解説は調べた限り無さそうだったので、そのうちやるのに飽きてしまいました…… 飽きてからは、放置していた数検1級の2次対策問題集の存在を思い出したので、とりあえずそれをやってみることにしました。これが対策になったのかは、正直よくわかりません。

そんなこんなでグダグダと毎日を過ごしているとTwitter上で

「近大数学コンテスト出ます!対よろ!」

みたいなFFのツイートを多数観測しました。多数です。去年は全然そんなことなかったのに、今年はすごい量でビックリしました。参加表明をしていた多くの人は暖色OMCerだったり自分が尊敬する人だったりしたので余計ビビりました。気ままに数学して極楽とんぼ返りする予定だったので、急にコンテストが怖くなったのを覚えています。えっ、わざわざゼミ休んで関西に飛んで数学でボコボコにされて帰るんですか?そんなぁ~、と思っているうちにコンテストが近づいてきました。

コンテスト前日

ぎりぎりの飛行機が嫌だったので、昼過ぎに関西に着くような便を選んでいました。久しぶりの飛行機搭乗だったため、空港にはとても早い時間についてしまいました。仕方ないので、空港でTwitterしつつ数学の問題を解いていたところ、関西に住む友人から「会わへん?」と連絡がきたので、梅田で会うことになりました。うれしいね。

飛行機の中で爆睡をしていたら関西に着きました。久々の関西でワクワクしたのを覚えています。久々にエスカレーターで右側にとどまったし、久々に大阪環状線のチャイムを聞いたし、久々の223系でワクワクが止まりません。この雰囲気、やっぱりええよな~

約束通り1年振りに友人と会いました。自分も彼もB4だったので、お互いの進路の話だったり研究の話だったり卒業旅行の話でもちきりになりました。関東弁が染みついてしまっているので喋り方はとにかくぐちゃぐちゃになっていましたが、たくさん話をすることができました。

ラーメン屋さんにも行きました!


ところで話をしているうちに「なんで関西に来たの~」という話になり、近大数学コンテストの話にもなりました。

ぼく「近大数学コンテストっていうのにどうしても出たくて~」
とも「優勝かっさらいに来たの?w」
ぼく「そんなわけ……つよつよがいっぱい来るから、気ままに数学楽しむだけだよ~」
とも「いやいや、下剋上する方がおもろいねんて!賞取らんかったらあとでLINEで問い詰めるわwww」
ぼく「そ、そんな……」

これも激励だと思って胸に刻むことにしました。マジでいろいろ話せて楽しかったなぁと思いながら祖父母の家に向かいました。

ゆらゆら電車に乗っていたら祖父母宅に到着しました。料理好きの祖母はいろいろな料理を用意してくれて待ってくれていました。とはいえ、晩御飯は友達とすでに食べていたので、日本シリーズを見ながら軽く食べられるものをつまみ食いして就寝しました。

コンテスト当日

~コンテスト開始

コンテスト当日の朝を迎えました。早起きできるかとても不安でしたが、なんとか早起きできました。0次予選突破です。
祖母は朝ごはんもぬかりなく作っていました。あまり食べ過ぎてしまうとおなかがグルグル言ってしまうので、そこに気を付けつつ食べました。ありがたい限りですね。

おばあちゃん、ありがとう…

地図を読むのがあまり得意ではないのと、コンテスト開始前に何人かと話せればいいなぁと思ったので9時過ぎに最寄り駅に着くようにしました。ただ、この日は近大で文化祭が開催されていたらしく、近大生っぽい群衆の方についていったところ、迷うことなく近大につくことができました。会場には3番乗り位につきました。のちに出席確認があったのですが、名簿をチラ見したところ、参加者が100人を超えており、ひえぇ~となってしまいました。

数学の参考書などは持ってきていましたが、読んでいてもどうも気持ちが落ち着きませんでした。結局、「直前に読んでてもどうにもならん」と思ったのでTwitterを眺めることにしました。Twitterはおちつくね。

という感じでグダグダしていたところ、すごい人やOMCTシャツを着た人がちらほら集まってきました。勇気をもって声をかけていったところFFの輪が形成されたので自己紹介しつつお話を楽しみました。これまでネット上でしか名前を知らなかった人ばかりだったので「本当に実在したんだ……」という気持ちになりました。
コンテスト直前になり、各々席につくことになりました。斜め後ろの人がすごい人だったのですが、その人とお話をすることができました。内容自体はわりと世間話に近いものだったのですが、テンション爆上がりです。皆さんと会えた興奮によって緊張どころではなくなり、結果として良い感じに本番を迎えることができました。

コンテスト

ここからはコンテストの立ち回りをつらつら書いていきます。問題のネタバレも割とあるので、見たくない方は飛ばしてください。

コンテスト開始の掛け声は「それでは、数学を愛する者のフェアプレイ精神で、果敢に挑んでください。GOOD LUCK!!」でした。問題の表紙に書いてある文言ですね。とりあえず全問題を覗いてみます。1は解けそう、2は数年前の近大数コンの番外編の問題に見覚えがあり「過去問やった人の方が得なのか~?」という気分になったのでとりあえずパス、3は幾何だしやってみようかなぁ、4の不等式は見たことあるけど(2)が全く思いつかん、(5は見そびれた)、6はなにこれ、7はやってみてもいいかも…?ということで1をやってみることにしました。

1は割と方針がたちます。高校数学やOMCでも約数の総和の問題はありますね。無駄なミスは減らしたいので、慎重に議論して答案を作ります。ちなみに裏面を確認していなかったので、表面に詰め詰めで答案を書いてしまい、途中から「同様な議論より~」を多用してしまいましたが、完全に答案を書き上げた後に裏面あったんか~いとなりました。解答の読みやすさや明確さも採点の対象となるらしかったので、もし解けない問題ばかりで暇を持て余しそうだったら書き直そうと考えました。まぁ、ここまでで30分強なのでいい感じ。

次に3に手を出しました。(1) も (2) も位置関係はわかりそうだなぁと思っており、あとは頑張って計算するだけな気がしたからです。しかし、答案を作成しているうちに最大性の議論が怪しくなり「自分は本当に正しく議論できているのだろうか」という気になりました。ひとまず (1) を書き終え (2) に移ったのですが、書いているうちに自信を無くしたため他の問題に移ることにしました。

なんか解けそうなのは無いかなぁと思って再び問題を眺めていると、5番に出会いました。なんとなく問題の雰囲気が自分の作問に似ている気がした(クソ傲慢)ため、これなら解ける気がしました。
というものの、最初は全然歯が立ちませんでした。少し焦りはしましたが「いや、でも頑張れば解けるはずなんだけどなぁ」と思い、初心にかえって実験してみました。書き出していくうちに見覚えのある数字が下段に出てきたので、あとは決め打ちして計算するといい感じになりました!(できた時はうれしくてにやけてしまいました)。その後はある程度伝わるように答案にして無事解ききりました。はじめの直感を信じてよかったです。

さて、5を解けてかなり満足していたのですが、残り時間が2時間ちょいくらいだったので次の問題を探します。とりあえず級数をやってみますが、ここで誤読をしていて n だけでなく m まで動くものだと思っていました。「初級編とか 0 って書けば点はいるんか?」というアホ考察に時間を費やしました。問題はちゃんと読みましょう。
6番も見てみます。が、問題文も一発で理解できず、正直パッと構成が見えてこなかったため、時間をかける気分になれませんでした……「最小の素因数がどう絡むんや……」と思ったため、4番に移ります。
4番は解析っぽい問題です。点数が高かったのでこれを取れたらアツいな~と思っていたのですが、こういう問題は苦手意識しか感じないので、大学入試でも割と飛ばしがちだったんですよね。これも残り時間ではどうにもならない気がしたので飛ばします。いい加減、解析をある程度できるようになりたいです。
という訳で、残った問題は2番しかなくなりました。解き方自体は大学で取っていた授業で見たことがあったのですが、F_2 上での連立方程式の解き方は知らないので(というか体の扱いさえよくわかっていない)きれいに解くことは諦めました。ここからは体育の出番です。体育で25点を取れるなら、俺は体育をします。1時間程度の残り時間でしたが、これだけは解いて今年のコンテストを終えようと思いました。
という感じで作業開始です。まずは答案で問題の言い換えをしていきます。いい日本語が思いつかず「こんなの本当に読んでもらえるのか?」みたいな文になってしまいましたが、とりあえずやけくそで書きます。その後は、個別のスイッチに対して連立方程式を解きます。ここで手間取り「出た解の通りにスイッチを押せばいいはずなのに、なんかうまいこと行かない!」を連発してしまい、残り5分くらいでやっと答案を書ききることができました。そして、最初の計算が不安になったのでもう一回解きなおしたところ、答案に書いた結果と違う結果が出てきてしまい、少しパニックになりました。時間的に泣いても笑っても最後の体育なので、気持ちを落ち着けて計算することにしました。最終的には解きなおしたときの結果の方が正しそうだったみたいなので、それを答案として書き直しました。残り1分間は体育の反動があって何もできませんでした。これにて初コンテストは終了です。

コンテスト後の休憩時間

コンテスト後の最初の感想は「疲れた~」でした。数学のコンテストに出て5時間ぶっ通しで数学をした経験はなかった(最長でも某大入試の2時間半)ので、結構体力を持ってかれたなぁという感じです。斜め後ろの方ともそのお話をして、大変だったね~となりました。
コンテスト終了後、どの問題の解説を聞きたいかについて質問があったので3, 4 に手を上げました。3 は最大性の議論をどう詰めるのか、4 はどう解けばいいのかを知りたかったためです。4 に手を上げた時に後ろの方に「そうなのか~、俺は 4 解けたよ!」と言われたので、さすがだなぁとなりました。大学教養の解析は散々な成績を取って逃げたので、そのツケが回ってきたなぁという感じです。

さて、コンテスト後の休憩は1時間ありました(採点者の方は1時間で100人以上の答案を採点するらしいです!えぐい!)。その時間に別教室からも OMCer が集まり、すっかりエンカ会場になってしまいました。自分はこの時のために船旅を持ってきたので、会う人会う人にサインを求め続けました()。また、自分がついこの前 writer をしていた OMC186 や矢上杯の話になったり、今日のコンテスト問題の話になったりしました。自分の作問について直接意見をもらえる機会はなかなかなかったのでうれしかったし、さっき解いた問題の話をするのは大学受験や模試以来だったので、気軽に楽しみました。この1時間は本当にあっという間に過ぎてしまいました。

休憩時間後~帰宅

休憩時間の後は解説の時間です。時間ギリギリに解説部屋に移動したので、後ろの方の席で解説を聞くことになりました。

まず解説があったのは4番です。とりあえず板書を移しつつ解説を聞きます。後半に「極限値がエスパー出来れば、それを証明することは割とたやすいです」と言われたのですが、そんなエスパー出来るものなのか!?となっていました。また、多くの方がこの問題に挑戦しているにも関わらず満点が1名しかいなかったという感じの話を聞き、結構細かい議論をしないと減点されてしまうのかなとも感じました。提出した答案を振り返ってみると,自分は一部の議論を端折ってしまったので、もしかしたらマズかったかなぁとなりました。

次に解説があったのが6番です。6番については全然考えていなかったため、ぼんやり解説を聞くのにとどまっていたのですが、構成ゲーな感じでした。そういえば休憩時間のときに「6番をやった」と話していた人が多く、みんなすごいな~となっていました。

最後に解説されたのは5番です。ひとまず発表された答えが自分の出したものと一致して安堵しました。教授の方曰く「この問題の解き方ですが、自分で結果を予測して帰納法で示す。予測できれば30点、そうでなきゃ0点。」と言っており、自分と全く同じ感想だ~となりました。ただ、休憩時間中にFPS(形式的べき級数)で倒した人をちらほら観測していたので、FPS賢いな~と思っていました。改めて思ったのですが、このコンテスト、賢い人が多すぎます。

という感じで解説は終わり、表彰がありました。正直なところ、5時間の間に3問倒せた気がしたので奨励賞でも行ければいいなぁ(激甘思考)などと思っていました。ですが、猛者まみれのこの部屋の中で私は低配点の問題を3問解いただけなので、世の中そんなに甘くはないだろうなとも考えていました。休憩時間中の話を聞くに、みんなはもっと配点の高い問題を通しているはずなので、配点高めの問題を含めた3問を通すことが入賞の必要条件なのかもしれませんね。まぁひとまず感触はつかめたし、3問とも答案を書ききってやり切れた点は満足だったので来年出直そうと思った矢先に名前を呼ばれました。え?

その後に名前を呼ばれた人も OMCer だったり Twitter で目にする人だったりして、やっぱりつよいなぁ~と思いながら眺めていました。最後に全体で記念撮影をしたり、OMCTシャツを着ている人で記念撮影をするなどして和やかに終わりました。普段オンライン上で数学している人が一堂に会し、しかも自分がその中に混ざれたというのが何よりうれしいことでした。いい思い出です。

帰り道は、コンテスト中で斜め後ろに座っていた人とお話ししながら帰りました。その方は数学科に在籍しているので、自分の分野とは異なるお話をたくさん聞くことができました。あと、コンテスト中に食事をほとんどしなかったという話にもなったので、唐揚げを買ってほおばりました。肉汁が体にしみわたり、数学した後の唐揚げは最高だ~となりました。多分何を食べても最高だと思いますが。

何だかんだで皆さんとも別れを告げ、関東にとんぼ帰りすることになりました。移動中はひたすら今日一日を振り返っていました。色々な人と一気にお会いしたり話したりすることができて情報量が追いついていなかったため、それを消化していました。とても充実した一日でした。

そうこうしているうちに自宅の最寄り駅につきました。賞を取れたのがうれしく、今日一日だけは調子に乗らせてくれと思ったので、己の食欲に身を任せてカップラーメンを買いました。本来なら深夜のインスタント麺は罪深い業ですが、今日一日だけなら許されるだろうという計算です。にっひっひ。

※番外編(翌日)

帰宅後、カップ麺にチャーハンにご飯という炭水化物セットをドカ食いし、気絶したように眠ってしまいました。翌朝の目覚めは最悪でした。当分、ドカ食い気絶部は控えようと思います。

体育会系ドカ食い気絶部

感想

びくびくしながら参戦しましたが、ネット上で存じ上げている数学erと実際にお会いできて、そしてその方たちと同じ(または隣の)教室で数学にのめり込めてとても幸せでした。同じ数学をやっている仲間を観測することができたのは、自分にとってとてもよい刺激になり、強くなる理由がまた一つできてしまいました。来年は就活などがあるかもしれないのでどうなるかわかりませんが、時間が許せば参戦したいですね。あとチーム戦にも興味があるので、強そうな人を誘って出るのも面白いかもなぁと思っています。

また皆さんとお会いできることを楽しみにしています!ではでは。

P.S.

近大数コン直後の rated コンテストで見事に大敗を喫しました。これまで OMC Tシャツを着用していた回は基本的に上り調子だったのですが、どうやら近大数コンでその効能が切れてしまったようです。ヤバい!

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