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障害者マークを可能性を示すマークに変える「Ability Signs」

Summary

世界最大のスポーツ小売業者であり、1976年の創業以来、スポーツの恩恵をすべての人に届けることを目指しているDECATHLON(デカトロン)は、障害を持つ人々がスポーツに参加しにくいという問題に取り組んだ。

この問題の一因として、パラリンピック以外のスポーツの場で障害者の存在感が薄いため、障害を持つ人々が「自身のスポーツへの参加やアクセスは難しいだろう」という無意識の認識を持っていることが推測される。

しかし、この認識の奥には、「自分の能力や可能性を認識し、それを活かすきっかけが欲しい」というインサイトがある。このインサイトに応えるため、デカトロンは「日常生活に溶け込んでいる障害者シンボルマークは、障害を持つ人々が無意識の制限を生み出している原因のひとつではないか」という視点に着目。このマークをデザインし直すことで、無意識の制限に気づくきっかけにできないかと考えた

そこで、通常の障害者サインをデザインし直した、障害を持つ人々の能力と可能性を強調する新しいシンボルマークを考案。これらのシンボルを、DECATHLONの施設や駐車場、店内のサインに使用し、無料ダウンロードも可能にした。

「障害を持つ人々は、制限がある人ではなく、能力と可能性を秘めた人々である」という気づきを通じて、障害を持つ人々にスポーツへのアクセスと参加を促進することに成功した。



Deconstruction

Brand
DECATHLON(デカトロン) - 世界最大のスポーツ小売業者であり、1976年の創業以来、スポーツの恩恵をすべての人に届けることを目指している。

Target
障害を持つ人々

Objective
障害を持つ人々がスポーツに参加しにくい → 障害を持つ人々にスポーツへのアクセスを促す。

Barrier
パラリンピック以外のスポーツの場で障害者の存在感が薄いため、自身のスポーツへの参加やアクセスも難しいだろう。

Insight
自分の能力や可能性を認識し、それを活かすきっかけが欲しい。

Thought starter
日常生活に溶け込んでいる障害者シンボルマークが、実際には障害者の制限を暗示している可能性に着目。このマークを再構築することで、ターゲットが自らに課した制限に気づくきっかけにする。

Execution
“Ability Signs”
通常の障害者サインをデザインし直し、障害を持つ人々の能力と可能性を強調する新しいシンボルマークに改訂。これらのシンボルは、DECATHLONの施設や駐車場、店内のサインに使用され、ウェブサイトで無料ダウンロードも可能にする。

Transformation
障害を持つ人々の価値変容
制限がある人→能力と可能性を秘めた人

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