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生理のタブーに切り込む「#Periodsomnia」

Summary

生理に関する偏見を取り除き、女性が恐れずに生きることを支援するP&Gの生理用品ブランドLibresseは、激しい競争がある生理用品市場において、生理に悩む全女性に、製品の優位性をアピールしたいと考えた。

そこで、競合の広告は生理中にぐっすり眠っている女性の典型的な描写が多く、生理中の夜間の現実が覆い隠されている。それにより生理の苦痛を個人で抱え込んでいたり、苦痛が「問題」であることに気づかずにターゲットは苦しんでいるという問題に取り組んだ。

この問題の原因は、「生理は汚らわしいものだ」という社会的偏見により、公に生理について話すことがタブー視されているからである。

しかし、そのタブーの奥には、生理に悩む女性の「生理の苦痛に対する、他人や社会からのオープンな共感を求めている」というインサイトが考えられる。

このインサイトに応えるため、Libresseは「痛みで死にそうになっているときに快適に眠る人はいない」という現実に着目した。この現実を広告でも正直に描写することで、タブーに対する社会的な会話を生み出せないだろうかと考えた。

そこで、「生理は眠らない。でもそれは、わたしたちが眠ってはいけない理由にはならない」というメッセージのもと、生理の夜に起こる現実に光を当てた広告映像を制作。

このアプローチにより、「生理の苦痛は、社会のタブーとして抱え込むものではなく、女性の現実としてオープンに共有すべきものである」という価値変容を起こし、生理の実態についてのオープンな会話を促進させた。これによりターゲットの共感を手にし、ブランドエンゲージメントの向上に貢献した。



Deconstruction

Brand
Libresse - P世界第 5 位のP&Gブランド。生理に関する偏見を取り除き、女性が恐れることなく生きることを支援する。

Target
生理に悩む全女性。

Objective
激しい競争環境 → 夜間の生理の課題に焦点を当てたLibresseの優位性をアピールしたい。

競合の広告は生理中にぐっすり眠っている女性の典型的な描写が多く、生理中の夜間の現実が覆い隠されている。それにより生理の苦痛を個人で抱え込んでいたり、苦痛が「問題」であることに気づかずにターゲットは苦しんでいる → この問題を解決することで、ターゲットの共感を得てブランドエンゲージメントを高める。

Barrier
生理は汚らわしいものだという社会的な偏見。生理について公で話すことへのタブー。

Insight
生理の苦痛を解決するための実際の情報と、他人や社会からのオープンな共感を求めている。

Thought starter
「痛みで死にそうになっているときに快適に眠る人はいない」。この現実を広告でも正直に描写することで、タブーに対する社会的な会話を生み出す。

Execution
"#Periodsomnia"
「生理は眠らない。でもそれは、わたしたちが眠ってはいけない理由にはならない」というメッセージのもと、生理の夜に起こる現実に光を当てた広告映像。

Transformation
生理の苦痛の価値変容
社会のタブーとして抱え込むもの → 女性の現実としてオープンに共有し合うもの。


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