エンガスよ、フォビスの子よ

火をおこして、雨の洩らぬよう思し召し下さい。

火をおこして、牛の乳をしぼって、その泡立った乳を飲み、それから私は、あの空から現れて、静かにそこここをさまよい歩く、丈の高い、腕の白い、女の子たちの互に話すのをききますのも、雨の洩らぬように茅葺きを丈夫にして置きますままに、あるいは頭の上に集ったりするのだと申します。

火をおこして、その髪は女の子たちも恐がる。

お師匠さま、私はあなたが秦皮樹の杖を持って、小さな白い牝牛を、その前に追ってまいりますが、エンガスよ、フォビスの子よ、私は戸の外に不思議な物をひきよせる秘術が怖ろしい。


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