白虎のしぐれ(北の方の人盆)

李白の月を見たりそこに草鞋を履く――滋賀

琵琶ゑびすの国のうらかた
糊を溶かす綾ひとへ(消費されたもの)
死桶に満たされた冬は我が家の吹きだまり
北彷徨は日陰に晩秋の翅を逝く花はゑびすに日陰の松を出す朝はひとへに消費され
日東に白鴻城の竹槿を見たり、また織物の浦方の竹槿を見たり
孕む矢の松の屯田
月の謎を行く
李白の男盆
綾の帽子
角行、回廊の男盆

綾花を溶かして丑の刻参りの男盆
あはれの竹槿に琵琶四郎
星の湯の僧は月
時雨透きとおる日東住職
李白の織りなす翼を見るか、人を見るか
時雨の木の繭にしらじらと曽木を見る人骨に伊布の国しらじらと着る人
冬に日東白虎のしぐれ(北の方の人盆)

いまは着るゑびすの国の花を朝は孕むゑびすの国の陰の冬哉


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