ちと個性的な23年の大学入試共通テスト英語読解解説(大問5)
★連絡先
メールでの連絡先は、
Twitterアカウントは
YouTubeチャンネルは
ココナラのオンライン家庭教師は
23年の大学入試共通テスト英語(読解)の独自解説・第5問編です。今回も普通の解答書では扱われない観点から、問題文の語句や内容を見ていこうと思います。
第5問
また英国が出てきましたよ! これまた相当な英国かぶれが作問しているんでしょうね。
日本ではsoccer(サッカー)がよく使われますが、英国ではfootballの方が一般的です。私はブラジルで人々が「フッチボール」と話していたのを何度も聞きました。世界的に見ると、soccerよりもfootballの方が流通しているように思います。日本サッカー協会も英語名称はJFA(The Japan Football Association)ですからね。
Mr.ではなくMrになっているところに注意してください。英国英語ではMrやMisにfull stop(.)を付けない傾向があります。
お兄さんの下の名前はPatrick(パトリック)とのことですが、この家庭はカトリック系、特にアイルランド系ではないかと思いました。アイルランドではやたらとPatrickの名を持つ人が多いのです。そこで最初のページに戻って筆者の名前を確認してみましょう。
Ben Carterになっていますね。姓のCarterからは明確な出身地は推察できません(Carterは二輪御者や荷物屋を表す職業姓)。BenはBenjaminやBenedictなどの略称ですが、Benからも明確な家庭背景は分かりません。
analyse / analyze (英/米)の違いですね。例によってWordやnoteの下書き原稿では誤記の可能性を示す赤波線がつきます。他にも realise などが問題文の中に出てきています。
get along with 人で「~と仲良くする」です。この表現は私が中学校で習った教科書に載っていたのでよく覚えています。
S pays offで「Sが報われる」。pay-offには「全額精算」という意味もあります。1990年代後半、日本の大銀行が経営危機に陥ったときに「ペイオフ」という言葉がニュースで飛び交っていました。
ここでのwalk offは「何かを不快に感じて立ち去る」という意味で使われています。
この英国人が書いたという設定の英文では、主語の転換が繰り返し行われていることに気がついているでしょうか。英作文の練度が低い受験生は、100語程度の自由英作文を書いてもらうと、主語が「I」「We」だらけになってしまうことが多いです。日本語でも国語の作文が「私は」「僕が」だらけのものは低く評価されますが、英語でも同じことがいえます。
また、英作文では「モノが人を○○した」という力強い無生物主語の文をここぞというところに配置すると、文章全体が引き締まります。例えば、
彼がどれだけマンガ好きか、よく分かる言い回しですね。こういう決めゼリフを英語学習の傍ら蓄えていくと、きっと役に立つ日が来るでしょう。
最後に、この文全体の流れについて考えてみたいと思います。自分の個人的な経験を踏まえて教訓を一般化するのは、小論文でもしばしば使われる構成法です。大問5は「卓球」が契機となって筆者のコミュ障が改善したという内容になっています。また、数あるスポーツの中でも個人競技だと一般に見なされている卓球が、相手をよく分析する=コミュ力を鍛える訓練になっているという流れも面白いですね。
連絡先
メールでの連絡先は、
oitatutor@gmail.com
Twitterアカウントは
YouTubeチャンネルは
ココナラのオンライン家庭教師は