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「カラオケ行こ」は愛おしい映画だった

前から好きでほとんどの作品を観てきた。(全部ではない)
好きな作品もいくつかある。

この作品の綾野剛は前に出ることはなく、「二番手」に徹底していたと思う。それが良かった。
聡実と狂児のつかず離れずの絶妙な距離感。
そう、所詮ヤクザと中学生だから仲良くなってはいけないのだ。

終始裏声を披露して歌う「紅」もすごかった。
聡実の言葉通り綾野剛好きの私が観ても本当に気持ち悪いと思った。

関西弁、めっちゃ練習したんやろうなあ。
本人も混乱したと語っていたけど。

あとは狂児が聡実を見る目が優しすぎ。愛おしい者を見る目だった。
本当は可愛くて仕方ないけど、これ以上踏み込んだらあかんと自分に言い聞かせていたんだと思う。
愛おしいといえばビルの屋上で二人で並んで語り合うシーンが実に愛おしかった。

勘違いによる聡実の「紅」絶唱シーンには泣かされたし、それを外で聴いていた狂児がまた優しく切ない。

リピーターが多いのも頷けるし、私も近くの劇場でやっていれば再度観に行ったのにな。なんせ最寄り映画館が遠い。

胸が熱くなるとか切ないとかそういった類ではないけど、後を引きずる作品だと思う。


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