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つけ麺という世界
とあるモーニング。
ラーメン好き(いわゆるラーメンマニア)の上司に連れられて、初めてお店でつけ麺を食べた。
朝の仕事を終わったら行くぞと言われて返事はしたものの…
え、朝ですか????
(朝からラーメンという発想は、少なくとも私の常識の中にはない。)
というのも、そのお店は朝の7:30からやっているという。
埼玉県の坂戸駅からほど近くにある、
『丸長』という歴史あるつけ麺屋さんだ。
普段から店の前には列が途切れず、
お昼前に売り切れて店を閉めてしまうこともあるくらいの人気店らしい。
その日は、大変ラッキーなことに並ばずに入れた。
L字型のカウンター席が10席ぐらいだろうか。
店内には
「黙食にご協力ください。」
という張り紙。
厨房の作業音と麺を啜る音だけが響く。
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先代のご夫婦から引き継いだという、
息子さんお2人の完璧な役割分担のもと、滞りなくお店が回っている。
無駄を削ぎ落とした美しい所作を見ていれば、待ち時間も退屈なし。
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チャーシューも食べ応え抜群。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112091999/picture_pc_52ab6e3024d06dbe14b6a9de66ec20aa.png?width=1200)
短冊チャーシュー、めんま、ねぎ、千切りなると。
お願いしてだし汁追加してもらえば
最後はスープとして飲み干せる。
長年の常連であるという上司は、
つけ汁を「甘さ控えめ」で注文していた。
(聞くところによると、
先代はピリ辛強めだった味付けも、息子さんたちが客の好みの変化に合わせて甘さを追加したそう。)
甘党の私はそのままにしたが、こちらの方が好みだった。
一口目のインパクトは弱いのだが、
食べ進めるとじわじわ美味しい。
ずっと同じ味なのに、飽きない。不思議。
つけ汁の作り方を見ていると、
たっぷりの砂糖(大さじ3ぐらい?もはやスイーツ)と醤油だれをだし汁で伸ばしていた。
(可視化するというのは恐ろしい。)
朝からつけ麺。
列に並んでわざわざ食べにくる人。
この人たちは、この後、どこへ向かうのだろう。
誰一人として会話をすることなく、
ひたすら目の前の麺を口に運ぶことに集中しているピリッとした空気。
目的は人と話すことでもなく、あくまでこのつけ麺というのがなんかかっこいい。
私が行くカフェやレストランとは確実に違う、新たな世界が広がっていた。
このお店の味を愛する人たちがいる。
それ以上も以下もない。
だから度々足を運ぶ。
そんなお店を私も見つけたい。
そして、そんなお店をいつか作りたい。
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