〇ときどき旅に出るカフェ/近藤史恵 2 おいしい人 2024年1月7日 09:42 「苺のスープです」円がキッチンから運んできたのは、ガラスのボウルだった。透き通った赤い液体が中に入っている。ボウルまで冷やしてある。冷たいスープだ。スプーンですくってそっと口に運ぶ。甘くて、いい香りがする。違和感はまったくない。ジュースではなく、スープとしか言いようがないのは、少しとろみがついているせいだ。ジュースよりも苺を食べているという感覚が強い。苺のスープ「ロシア風ツップクーヘンって言うんです。ココア生地をちぎって上にのせて焼くんです。」きれいな焼き色とフォークを入れる。濃厚なチーズケーキにココア風味がプラスされている。これは、チーズケーキとチョコレートケーキが好きな人にはたまらない。ロシア風チーズケーキ今年はもうひとつ、カフェ・ルーズのチェーが加わった。ベトナムのスイーツだが、円が作るものは、かき氷にココナツミルクや小豆、フルーツなどが入っている。かき氷だが、グラスに層のように材料を入れて、混ぜて食べるところは、少しパフェのような雰囲気もある。月はどこに消えた?バングラディッシュの大根カレーが目の前に置かれる。大根と鶏肉の他には、ミキサーで細かくした玉葱と人参、トマトなどが入っているらしい。スパイシーだが、乳製品もココナッツミルクなども入っていない。さらりとしたスープ状のカレーだ。だからこそ、大根がとてもよく合う。さっぱりとして、日本の煮物などにも通じるような優しさもあるカレーだ。幾層にもなった心「どうぞ、セドゥーラと言います。」生クリームかアイスクリームと、ベージュの粉のようなものが層になっている。クッキーかビスケットを砕いたような感じだ。添えられた小さなスプーンですくって食べてみた。アイスクリームほどではないが、冷たい。少し懐かしい味わいの生クリームと、砕いたビスケット。シンプルだが、その分大人も子供も好きな味だと思う。おがくずのスイーツ円が持ってきたのは、パイのようなお菓子だった。ぎっしりとトレイの上にのったものを切り分けて、小さいのを一切れだけ皿に乗せる。一口で食べてしまえるほどの大きさだ。パイの中に入っているのはクルミだろうか。パイはシロップで濡れていた。噛むと甘いシロップがじゅわっと口の中に広がった。なぜ、小さいサイズに切り分けられているのか、即座に分かった。甘い。頭が痛くなるような甘さだ。思い出のバクラヴァ聞いたことも見たこともないスイーツばかりだった。どんな味だろうという探求心のが大きかった。ロシア風のチーズケーキは食べてみたい・・・。 ときどき旅に出るカフェ (双葉文庫) www.amazon.co.jp 693円 (2024年01月07日 09:42時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する ダウンロード copy #料理 #本紹介 #近藤史恵 #ときどき旅に出るカフェ 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート